中国の未完成ビル物件の購入者が次々と住宅ローン返済を拒否し、各地の物件購入者が音声や動画で続々と辛い現状を吐露しています。一方で、未完成ビルが負担になっているサプライヤーも、支払いの停止と建設の中止を発表しています。未完成ビル物件の購入者の連鎖反応が、計り知れない結果をもたらす可能性があるとの分析もあります。
「私は新しい家に入居できるのを期待していたのに。私の家族には老人もいるし小さな子供もいて大変だ。できるだけ早く物件を引き渡してほしい。お願いです!」
7月17日に撮影されたある動画では、河南省上蔡公園道一号の物件購入者が、未完成ビルに上がって自身の置かれた境遇を泣いて訴えています。
河北省の未完成ビルの物件を購入した女性
「お願いだから早く工事してほしい。私の月収は5000元で、そこから3000元の住宅ローンを支払わなければならない。それに加えて子供を養ってアパート代も支払わなければならない。本当にもう持ちこたえられない」
ある未完成ビルの物件を購入した男性
「私の家は4人家族で、今借りている家の家賃は2500元で、さらに6500元のローンを支払わなければならない。1か月で8000元の支払いだ。病気があるが構っていられない。私は150万元で家を買った。彼らは私に引き渡してくれないまま、寝そべっているのか?それで終わりなのか?街に出て抗議したら、暴徒扱いだ。道義はあるか?」
7月14日、1000人を超える不動産物件購入者が陝西省の銀行保険監督管理委員会を囲み、銀行の違法貸付問題に対する調査を要求するデモを行いましたが、当局から制圧されました。
西安市では「易合坊」居住区の約300人の物件購入者と、高新区錦嶺マンションの100人を超える購入者が、今年の3月から工事の再開が見込めない未完成物件に移り住んでいます。購入者らは、水も電気も通っておらず、エレベーターも動かない未完成物件の中で、苦しい生活を送っています。
西安市の未完成物件を購入した女性
「この3年間の感染症のせいで収入が途絶えた。ここは完成していない建物だが、少なくとも雨風はしのげる。私たちは他の場所で10年以上も部屋を借りて住んでいるが、もう本当に家賃を捻出できないのだ」
あるネットユーザーは、未完成物件の問題について、地方政府が土地財政収入と税金を横領し、ディベロッパーが物件代金を横領し、銀行が高額の利息を手に入れていると指摘しています。また、庶民は家族全員の預金をつぎ込んでも物件に住めないだけでなく、住宅ローンも払わなければなりません。
数日の間に、25の省で300か所近い未完成物件の購入者が、自分の権益保護のため、集団で住宅ローンの支払いを停止しました。
これについて、未完成物件の購入者の連鎖反応が計り知れない結果をもたらす可能性があり、不動産業界だけでなく、金融業界も強烈なダメージを受け、中共政権にもその波が及ぶ可能性があるとの分析もあります。