米半導体大手メーカーのインテルは、中国での事業を継続しようとしています。それは、米上院が半導体補助金法案を進めることを決議したためです。これは、中国(共)の兵器と技術開発に対抗する取り組みの一環です。この法案では、企業が補助金を受けるためには一定のルールに従う必要があり、その一つが、工場を中国から切り離すことです。
この法案は、19日に行われた上院の手続き上の投票において、超党派の支持を得ました。賛成票が反対票の約2倍でした。
この支持は、この法案に道を開くもので、来週末までに上下両院で採決される可能性が出てきました。
この法案は「CHIPS(Creating Helpful Incentives to Produce Semiconductors)for America Act)法」と呼ばれており、成立すれば、米国内に工場を建設する半導体企業に対して、540億ドル(約7兆4,000億円)の補助金と、約240億ドル(約3兆3,000億円)の税額控除が提供されることになります。
法案の具体的な内容はまだ決まっていません。しかし、数十億ドルの優遇措置に、中国に先端半導体の製造施設を建設しないなどの前提条件が加えられる可能性があります。
インテルは以前、中国東北部の大連市で半導体メモリーチップ製造工場を運営していましたが、数年前に他社に売却されました。
2020年、半導体製造をめぐる米中間の緊張状態が続く中、インテルは中国の半導体分野の新興企業2社に出資しました。
また、昨年、バイデン政権は、インテルの中国での増産計画を阻止したと伝えられています。
インテルは、30年以上前から中国で事業を展開しており、現在では中国国内における最大の外資系企業の1つとなっています。
同社の中国とのビジネス上のつながりが、米国での開発を遅らせる要因になっている可能性があります。
インテルは今年1月、オハイオ州に新工場を建設するために200億ドル(約2兆7,000億円)を投じると発表しました。この金額は1,000億ドル(約14兆円)にまで膨らむ可能性があります。しかし、米政府からの補助金がない場合、このプロジェクトが予定より早く実現することはないかもしれません。
インテルをはじめとする米国の半導体メーカー数社は、CHIPS法による規制を緩和するよう議員に働きかけていると伝えられています。
世界最先端の半導体のほとんどはアジアで製造されており、米国で製造されているのは、わずか12%に過ぎません。1990年代は米国製が約40%を占めていましたが、今は減少の一途をたどっています。
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