米国のジャネット・イエレン財務長官が韓国を訪問中、中国を名指しで非難し、米国は中共政権が不公正な貿易手段を用いることを許すことはできないと発言しました。また、米国と韓国は貿易関係をもっと深めるべきだと提案しました。
ジャネット・イエレン米財務長官
「中国のような国が、重要な原材料、技術、製品における市場地位を利用して、我々の経済を混乱させたり、好ましくない地政学的な影響力を行使したりすることを許すわけにはいかない」
イエレン氏は、韓国のLGの工場でこのスピーチを行いました。
LGは韓国最大の企業グループの一つで、今年4月に、米アリゾナ州に14億ドル(約1,900億円)のバッテリー工場を建設する計画を発表しています。
イエレン氏はさらに、中共政権の慣行について言及しました。
ジャネット・イエレン米財務長官
「その一例が中国で、半導体を含む特定の先端技術の製造において、支配的な地位を得るために多大な資源を投入している。その地位を得るためにあらゆる不公正な貿易慣行を用いている」
イエレン氏は、中国はルールに基づくグローバルシステムから多大な恩恵を受けてきたが、その不公正な慣行は、他国の国家安全保障上の利益を損なっていると指摘しました。
ジャネット・イエレン米財務長官
「我々は、米国と同盟国にとって有益なシステムの最も優れた点を維持するよう努めるべきであり、一方で、我々の国家安全保障上の利益を損なう中国の不公正な慣行など、顕在化している実際の問題にも取り組むべきだ」
ロシアと北朝鮮も、リストの上位に挙げられています。
ジャネット・イエレン米財務長官
「ロシアの違法な戦争と、それに続く世界的なエネルギーショックは、ウラジーミル・プーチンのような権威主義者の気まぐれで我々を脆弱にする外国産石油への依存から自分たちを守る必要性を強調するものだ。米国と韓国は、北朝鮮による核・ミサイルプログラムの継続的な開発と拡散を制限するために、足並みを揃えて働きかけている」
この日、イエレン氏は韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領、韓国銀行の総裁とも個別に会談を行いました。
イエレン氏は19日から20日にかけて韓国を訪問しており、韓国はインド太平洋地域歴訪の最後の訪問地です。
〈字幕版〉