中国がソロモン諸島海港買収 豪・同盟諸国が懸念を示す

中国の国有企業が、ソロモン諸島の林業用プランテーションを購入することになりました。しかし、中国の代表団が島を訪れた際、森林のことについて質問をすることは一切ありませんでした。その代わり、埠頭の長さ、つまり、船舶が停泊して荷役をする場所や水深に非常に興味を持っていたといいます。

数万エーカーの森林のほか、深海港や第二次世界大戦時の滑走路もそのプランテーションに含まれています。

この購入計画により、豪州と同盟諸国は、中共政権の本当の計画について警鐘を鳴らしています。中共政権はすでにソロモン諸島と安全保障協定を結んでおり、西側諸国では混乱を引き起こしています。そして、この島が戦略的に重要な位置にあることから、中共政権の本当の狙いは、太平洋の島に軍事基地を作ることなのではないかと多くの人が疑っています。

元米国家安全保障会議主席顧問のアレックス・グレイ氏は、インタビューでソロモン諸島の重要性について説明しました。

元米国家安全保障会議主席顧問 アレックス・グレイ氏
「もしソロモン諸島が、中国がアクセスできる軍民両用施設や恒久的な軍事基地、あるいはその中間のハイブリッドモデルを持つことになれば、第二次世界大戦以来、第一列島線と第二列島線の安全保障に最も壊滅的な影響を与えることになるだろう。豪州の国家安全保障にとって、1945年以来の最大の脅威となるだろう。米国が築き上げた同盟構造にどれほどの危機が訪れるか、大袈裟ではないだろう」

第一列島線は、台湾、日本の沖縄、フィリピンを含む島々で構成されています。冷戦時代にはソ連の影響力の拡大を、そして現在では共産中国を封じ込めるための最初の防衛線と見なされています。

第二列島線は、米海軍グアム基地を含んでいます。

グレイ氏は、ソロモン諸島は豪州から飛行機で数時間の距離にあり、豪州の海上交通路に跨っていることに言及しました。

元米国家安全保障会議主席顧問 アレックス・グレイ氏
「第二次世界大戦で、ガダルカナル島のヘンダーソン飛行場を維持するために何千人もの米国人が戦死したのには理由がある。何故なら、あの島を支配することは、豪州がもっと広い世界に出て行くために絶対に必要なことだからだ。豪州だけでなく、米国の国家的な要請として、同盟管理の観点から、ソロモン諸島をこのような状況に陥れないようにすることは、本当に必要なことだと思う」

豪州国営放送局のオーストラリア放送協会(ABC)は、現在の林業プランテーションの所有者たちは懸念を示していると報じています。台湾と豪州の株主は5月に豪州政府に書簡を送り、この売却が豪州に「リスクまたは戦略的脅威」をもたらす可能性があると警告しています。

株主らは、中国が「港と滑走路を支配し、基地を建設する」ことを防ぐための措置が必要だと述べています。

ABCは、豪州の外務貿易省は先週、取締役会に対して「介入しない」と返事を出したと伝えています。

〈字幕版〉

 
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