卒業イコール失業。中国ではよく言われることですが、中共ウイルスで打撃を受けた今年の労働市場においては、特にこの言葉が当てはまります。中共が、もはや年間経済目標を達成することはできないだろうと発言するほど、現在の経済状況は悪化しているようです。
取得したばかりの修士号を武器に、劉倩さんは現在、職を探しています。2社の面接を受けましたが、後日、応募した職種は廃止されたと告げられました。ほかの会社は、劉さんの希望額より低い賃金を提示しました。
劉さんは、中国の1,100万人の新卒者の一人です。中共のコロナ政策によって工場やレストラン、その他の業種が閉鎖に追い込まれる中、必死に仕事を探しています。
一方、閉鎖を免れた企業では、職種を減らし、賃金も減らしています。
新卒者・就職活動中の劉倩さん
「就職活動を始めた時から、自分の未来が機械で粉砕されたような気がしている。それをつなぎ合わせられるかどうかわからない」
中国就業研究所や就職情報サイト「智聯招聘(Zhaopin.com)」によると、4月から6月までの期間中、1件の求人に対して約2人の卒業生が競い合っていたとしています。
この数字は、前四半期の1.4人から増加しています。
中国の大学生たちは就職難に苦しんでいますが、習近平総書記は、今年秋の共産党の重要会議で三期目の続投を狙っています。
中国の労働市場は、特に北京や上海といった工業の中心地では、1週間から1か月にわたる閉鎖が定期的に発生し、混乱に陥っています。
首都経済貿易大学准教授 張成剛氏
「労働市場の不確実性は更に高まる可能性がある。だから、大学生にとって最も重要なのは、適応能力である」
首都経済貿易大学准教授の張成剛氏は、企業が雇用を減らしているのは、彼の言葉で言うと「命を守るための考え方」であり、生き残るために必要なことをしているのだと述べています。
全年齢層の平均失業率が5.5%であるのに対し、公式発表では24歳以下の若年層の6月の失業率は約20%に達しています。
今年の新卒者の数も入れると、この数字はさらに悪くなります。
今年3月、中共の李克強首相は、1,600万人が求職中であると予想されるとし、今年1,300万人の新規雇用を創出することを目標に掲げました。
しかし、コロナ対策による企業の閉鎖によって、どれだけの人が失業することになるかについては明言しませんでした。
中国最大のコミュニティ型求人サイト「リエピン(猎聘)」が実施した調査によると、調査対象となった中国企業の3分の1が、新卒者の採用を減らす予定であると回答しました。また、約4分の1の企業が採用人数を増やすと回答しましたが、そのほとんどは国有企業です。
中共の厳しいコロナ対策により、全国的に深刻な経済損失をもたらしています。
中共の国家統計局が7月15日に発表したデータによると、第2四半期のGDP成長率は前年同期比0.4 %増で、パンデミック発生以来最低の成長率を記録しました。
そのため、今年の経済成長率目標5.5%の達成についても、口にしなくなりました。