中共の李克強首相は最近、主要な省の経済を監督・指導するために閣僚レベルの工作チームを派遣しました。 専門家は、中国経済は多臓器不全のようにすでに破綻しており、第20回党大会を目前に控え、地方政府に圧力を加えることで、中央政府の核心的地位を守ろうとしていると分析します。
中国共産党の第20回党大会が間近に迫っていますが、中国経済は下降を続けています。 経済救済のため、中共国務院は24日、閣僚レベルの高官が率いる経済安定工作チームを、10の省に派遣すると発表しました。
国務院が派遣した工作チームは、中央銀行、水利部、住宅都市農村建設部など、経済とは関係のない複数の部門の高官も含まれています。
台湾国立金門大学 盧政峰副教授
「経済を刺激するために上から大きな力を入れている。 しかも、特殊な操作が行われており、地方の権限を超えている。だから、中央から監督指導チームを派遣して、任務を直接伝えるのだ。なぜなら、李克強は第20回党大会が終わったら総理を辞めるかもしれないが、習近平は続投するので、彼らは李克強ではなく、習近平の言うことを聞く。上からの命令に対し、いい加減に実行したり、あるいは実行しないこともあるかもしれない。 だから、監督指導チームが中央政府の指示を直接伝えるのだ」
台湾のマクロ経済学者吳嘉隆氏
「現在、多くの省は自分の『小金庫』を持っており、独自の政治的経済的ネットワークを持っているかもしれない。だから、閣僚レベルの高官を派遣している。表面上は、経済とあまり関係のない部門に見えても、もしかしたら彼らは資金の流用経路に関して詳しいかもしれない。だから、彼らを調査に派遣したのだ。中央の高官を派遣して地方政府を震え上がらせる目的もある」
このほか、中共国務院は23日、広東省や上海市など19の省と地域に対して「経済安定化政策パッケージ」を実施するための大規模な点検を開始すると発表しました。
台湾の国立金門大学の盧政峰副教授は、第20回党大会を目前に控え、経済の安定と成長が当局の最重要課題となっていることが主な理由だと考えています。 もし、地方政府が自分たちのことしか考慮しない場合、中央政府の欠点が露呈してしまい、習近平の中枢は挫折し、恥をかくことになるといいます。 そのため、監督指導チームを派遣して地方を視察し、中央政府の主導的地位を誇示していると述べます。しかし、中国経済はすでに危機に陥っているといいます。
台湾のマクロ経済学者吳嘉隆氏
「今問題なのは、危機に陥っている中国経済で、多臓器不全のように救いようがない。 だから、すでに一部の人は、李克強首相は今の混乱した局面から抜け出すために、一刻も早く引退したいはずだと推測している」