エネルギー危機による燃料価格の高騰に伴い、欧州の人々はライフスタイルの変革を迫られています。 フランスでは、交通手段として自転車利用を促進するため、政府が2億5000万ユーロを投じる方針です。
パリでは、自転車が人々の新しい交通手段になりつつあります。都市部での普及が進むにつれ、フランス政府は田舎に住む人々にも目を向けています。
フランス政府は9月20日、自転車利用拡大に向けた支援を2023年に強化し、約2億5000万ユーロ(約360億円)を拠出すると発表しました。
フランス エリザベット・ボルヌ首相
「今後数年間の課題は、農村部でも自転車が交通手段として使えることを証明することだと思います」
拠出される資金は新たな自転車関連インフラや、80万人の児童向けの自転車講習に当てられ、市民が自転車を購入する際にも補助金が支給されます。
パリ市民 Alexandre Rossignolさん
「パリではあまり自転車に乗らなかったのですが、以前より広く安全な自転車専用道路ができたので、もっと自転車を使うようになりました。インフラが整備されるのは良いことだと思います」
フランスでは2021年、交通手段として自転車が最も多く販売されており、エネルギー価格の高騰により、その人気はさらに高まっています。
エネルギー危機が始まって以来、フランス政府は自動車燃料の税金還付だけで75億ユーロ、天然ガスや電気の価格制限のための補助金で240億ユーロ以上を費やしてきました。 これに対し、自転車分野への投資は、市民の健康や省エネに役立つだけでなく、ビジネスとしても悪くないようです。