半導体サプライチェーンに対する中国の脅威を阻止するため、日米が新たな行動をとりました。
米国の大手半導体メーカーのマイクロン・テクノロジ(Micron Technology)は、約3億ドル(465億円)の補助金を日本政府から受けることになりました。同社によると、この資金は広島工場の設備投資に使われます。
米国のカマラ・ハリス副大統領は9月28日、日本の半導体関連企業の幹部らと会談を行いました。この情報はその直後の30日に発表されました。米国と日本は数か月前から、半導体生産における協力拡大について、協議を重ねてきました。半導体供給における台湾への依存度を下げるためです。
半導体は、私たちの暮らしに欠かせない存在となっており、自動車からiPhone、ミサイル、戦闘機に至るまで、現代のあらゆる電子機器の「頭脳」となっています。しかし、世界最先端の半導体の90%は台湾で生産されています。この小さなチップがなければ、コンピュータもiPhoneも戦闘機も鉄の塊にすぎません。
米国は、最先端の半導体を台湾のチップメーカー、台湾積体電路製造(TSMC)に大きく依存しています。しかし、この重要な生産拠点である台湾は、常に中国共産党からの圧力を受けています。中共政権は台湾を自国の領土と主張しており、必要であれば武力で支配下に置くと脅しています。
ハリス副大統領は、日本の半導体関連企業の幹部らとの会合で、サプライチェーンの多様化の重要性を強調しました。
カマラ・ハリス米副大統領
「日本も米国も世界も、必需品の依存度を分散させる必要があります。私たちはこの問題に関して、一国だけでは世界の需要を満たすことができないことを理解しています 」
日本は、米国の他の半導体メーカーにも働きかけています。今年7月には、経済産業省がキオクシア(旧東芝メモリ、東京)と米ウエスタンデジタル(WD)が共同で計画する三重県の半導体生産施設に最大929億円の補助金を出すと発表しました。これは日本での半導体生産を拡大するためのものです。