英中部マンチェスターの中共領事館で16日、領事館関係者らがデモに参加した香港人を敷地内に引きずり込んで殴打する事件が発生しました。19日、英国のクレバリー外相は中共大使に対し、デモ参加者への故意の殴打は断固として容認できないとし、さらなる措置を検討していると述べました。
中共外交部は19日、マンチェスターで起きた中共外交官による殴打事件について、「騒ぎを起こした人物が領事館に不法侵入した」と主張し、英国に対して中共領事館に対する保護を強化する措置を求めました。
これに対し、英国のクレバリー外相は、中共外交官による暴行は決して容認できないと述べました。
ジェームズ・クレバリー外相
「我々は中国大使館に、このような行為は容認できないと明確に示した」
クレバリー外相は、平和的な抗議活動は英国のすべての人の基本的な権利であり、中国共産党は尊重しなければならないと再度強調しました。
同日、マンチェスターの中共領事館で暴行を受けた在英香港人のボブさんは、ロンドンで記者会見を開き、中共による襲撃事件を非難しました。
中共領事館で暴行を受け負傷した香港人 ボブさん
「私はこのことに憤りを感じています。このことが外国である英国で発生したことにショックを受けています。ここは中国ではないのです」
2020年、香港で「国家安全維持法」が施行されてから、民主主義と自由が著しく損なわれました。香港の劇的な変化を受け、ボブさんは2021年、香港から英国への移住を決意しました。
16日、中共の暴政に不満を持つ香港人30~40人がマンチェスターの中共領事館前で平和的な抗議活動を行いましたが、領事館職員から破壊行為や暴行を受けました。 抗議活動に参加したボブさんは、領事館の敷地内に引きずり込まれ、領事館関係者に殴打されました。
記者団に対し、ボブさんは多数の打撲傷を負ったと述べ、英国政府に対して責任を問うよう求めました。
中共領事館で暴行を受け負傷した香港人 ボブさん
「襲撃に関わった人たちが責任を取らされることを望みます」
英議会では複数の議員が、暴行事件の参加者の一人であるマンチェスター中共総領事館の鄭曦原総領事の追放を求めています。
クラバーリー外相は19日、グレーターマンチェスター警察の捜査終了後、英政府はこの事件に関してさらなる措置を講じると改めて述べました。