失われた中国五千年の文化復興を目指す神韻芸術団は、目下、日本巡回公演を開催中だ。「福岡サンパレスホール」で3本目となる30日夜の公演でも、歴史絵巻のような演目の数々を披露し、観客に感動を与えた。
箸の束を巧みに操るモンゴル民族の舞に魅せられたと、民謡歌手のてんさんは語った。「衣装のデザインが素晴らしい。伝統をどう美しく見せるかに工夫が凝らされている。一つ一つのステージは絵画を見ているかのようで、美しい」と感嘆の声をもらした。
てんさんは鑑賞により、これまでの中国の伝統文化に対する理解は深まり、神仏への敬意とそのメッセージ性も受け取ったという。歌唱演目の詞を読んで「モラル問題や無神論者が増えている。神様に対する思いを私たち日本人も、もっと気にしないといけない」と語った。
株式会社ヤナセ元支店長の物部隆義さんは、舞踊の迫力と色彩豊かな3Dバックスクリーンとの一体感に感激した。「子供のために命を捨てる、劉備の妻の悲しみに共感した」と、三国時代の戦乱を描く演目は強く印象に残ったという。
神韻には現代を舞台とする舞踊劇もある。法輪功学習者の家族が強制臓器収奪の被害に遭うテーマについて、仕事で中国駐在経験もある物部さんは「中国の難しいところが出ていた。人々は必ず圧力で抑えられる 」と既視感を覚えた様子だった。「あの劇は中国では上映できないでしょう。その通りのことが行われているのだから」と直言した。
フリージャーナリストの我那覇真子さんも臓器収奪問題を伝える演目に注目し、「いろんな意味で重要な作品」とコメントした。神韻の鑑賞を通じて、知り得なかった中国の真実を知ることができると語った。
「中国文化の層の厚さを感じた。チベットの少数民族の踊りはまたタイプが違ったりと、やはり大陸ならではの様々な民族性を感じた。宮廷の大きさなども、日本とは規模が違う。私は中国のことを知らないんだな、と感じた」
公演期間中は周囲の人にもどんどん神韻を広めていきたいと我那覇さんは語る。「『中国人』で一括りではなくて、頑張っている人がいるということと、苦しんでいる人がいるということを、我々日本人はまだまだ知らないんじゃないかなと思う。神韻は文化を楽しみながら真実も学ぶ機会」と締めくくった。
米ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は古典舞踊とオーケストラからなる芸術団。2023年の世界公演では、5大陸20カ国以上、約180都市をめぐる。日本は過去最大の10都市を巡回する。
福岡公演の後、広島文化学園HBGホールで1月2から3日まで2公演、次に兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで6日~9日まで公演は行われる。京都、鎌倉、川口、宇都宮、東京新宿、名古屋を1月31日まで巡る。ツアー日程は公式サイトで確認できる。
(大紀元エポックタイムズより転載)