日本で巡回公演中の神韻芸術団は28日、愛知県芸術劇場で昼夜の2公演を披露した。ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、失われた中国伝統文化の復興を掲げ、世界中で巡回公演を行なっている。
この日、茶道講師の朝治知子さんが夜公演を鑑賞した。「とっても新しい印象でした。私たちの思っている中国と全然違います」と語った。
「奈良の唐大寺とか興福寺とか、日本に唐の文化がそのまま残っていることと重なってとっても面白かったです。雲の上の天女の舞は、東大寺の灯篭に描かれているものが抜け出して動いている感じでした」
茶道講師をしている関係で日本国内の様々な古刹を訪れるという知子さん。古いお寺を訪ね歩くことは、「中国の唐代の文化を探して歩いている状態」だと感じたという。
「唐代から清代のものまで、いろいろなものが日本に来て、仏教や茶道、その他の道などの精神文化になっています。この素晴らしい演目が中国本土で認められないというのはびっくりですね」
神韻を鑑賞して、中国に対する印象が変わったという。
「今の中国は文化が本当に欠落していて、共産党ばかり表に出ています。今、世界で中国バッシングがすごいですよね。でも、そうじゃない。こんなに素晴らしい人たちがいます。もっと素晴らしい中国をアピールするべきだと思います」
物流会社社長「残していくべき素晴らしい舞台」
同日、物流会社社長の栗木隆弘さんが昼公演を鑑賞した。
「本当に演技が素晴らしくて感動しました。どれだけ稽古を行っているのだろうと感じました。多くの人に感動を与えるための日々の努力の積み重ねは大きいです」とアーティストらを讃えた。
雄大な自然や壮麗な宮廷を鮮やかに映し出す3D背景幕が神韻の特徴だ。「背景の映像とも見事にマッチして、自分がどこにいるのか分からないくらいの気持ちにさせていただきました」と栗木さんは語った。
信仰の自由のない現代中国の悲劇を描いた演目に関しては、「話には聞いていましたけど、本当にそういったことが起こっていると知ることだけでも、何か力になれると思いました」と関心を寄せた。
「こういった舞台を生で見る機会があまりない中で、まだまだこういったものの良さをいっぱい喋りたくなりましたね。これからの時代に残していくべき素晴らしい舞台。今日は感動をいただきました」
冷凍機設備会社社長「人間の大事な心を伝える舞台」
同日、冷凍機設備会社社長の河渡正暁さんが昼公演を鑑賞した。
「非常に感動しました。真善忍という言葉に感動しました。忍ぶという言葉は心に大切だなと。やはり昔の中国は世界の核でしたので、中国の歴史や思想は大好きです」
三国時代の武将 趙雲が、君主である劉備の夫人と息子を救出する演目が気に入ったという。劇中、夫人は身を呈して息子を守る。
「子どもを愛するという心は、人間にとっては一番大切な心。司会の方の丁寧な説明にも感動しました」と河渡さんは語った。
バリトンとソプラノの独唱曲が伝える、「人間は天上から降りて来た」というメッセージにも感激していた。
「歌も非常に内容の濃い良い詩でした。日本にも同じような考え方がございます。神は人間の心にとって大切なものだと思っております」
河渡さんは、神韻が「人間の大事な心を伝えている」と感じたという。
「道徳というものが今廃れてきていますので、世界を回って真善忍の心を皆さんに知っていただくということが大切だと思います。今後とも、こういう道徳を大切にして頑張ってください」