中国スポーツ界の動きを見てみましょう。サッカー元代表監督の李鉄氏やサッカー協会(CFA)の陳戌源会長が相次いで失脚したことにより、中国サッカー界の腐敗問題が再び脚光を浴びました。元五輪メダリストの黄暁敏(ファン・シャオ・ミン)氏は、中国共産党の体制があまりにも腐敗しているため、サッカー界も健全に発展することができないと指摘しています。
2015年の中国サッカー協会改組後、国家体育総局の下、対外的には市民協会、対内的にはサッカー運動管理センターという「一つの機構に二つの看板」の体制になっています。
WeChat公開サイト「后波公社」は月曜日、CFAには、党務人事部、規律検査部、財務部など30の部・課があり、部・課レベルの職員は1420人もいるという肥大化した構造になっていることを明らかにしました。さらに、職員、物流、臨時職員、清掃員など、省以下のレベルのサッカー協会機関を除いても、総数1万人以上に上るといいます。
元中国代表の水泳選手である黄暁敏氏は、CFAの機構体制は、その政治的で腐敗した特徴を反映していると指摘しました。
元中国代表水泳選手・黄暁敏氏
「これらの組織が必要で、この体制でなければならないのです。総合部、民政党委員会、企画部、法務部など、すべてが一つの機関になっています。この場合、単なる1つのチームではなく、多くの、働かない、給料をもらうだけの人たちを養っている腐敗したチームになっているのです」
また、「后波公社」は記事の中で、一部の不動産会社がサッカーに関与し、広報のために、より多くの融資や土地を得るために、大金を投じていると述べています。今、これらの不動産会社は衰退しており、業績不振の中国サッカー界はさらに悪化しているのです。
黄暁敏氏
「腐敗したシステムの中で、サッカーのような大きなスポーツの裏には、きっと大きな取引などがあるはずです。お金儲けがしたいのですから。健全な仕組みがなければ、アスリートを輩出することはできないので、結局、費やした分だけ損失を被ることになるのです。このような体制のもとで健全に発展することは不可能なのです」
最近、中国サッカー界において不祥事が多発しています。CFA会長の陳戌源氏の失脚に続き、元副会長の王登峰氏も逮捕されました。債務危機に直面している中国の不動産会社「華夏幸福」のトップ、孟驚氏も捜査され、去年失脚した李鉄氏と関連があると指摘されました。李鉄氏は以前、華夏幸福サッカークラブの監督を務めていました。