全人代代表「騒動挑発罪」廃止呼びかけ

中国共産党の両会を前に、全国人民代表大会の代表を務める朱征夫氏が、「騒動挑発罪」の廃止を改めて訴えました。

「騒動挑発罪」は、当局が人権活動家を抑圧するためによく使われる手段です。かつて政協委員も務めた法学博士の朱氏は、これまで繰り返し騒動挑発罪の廃止を訴えてきました。両会を前に、朱氏は再び廃止を訴えています。

中国大陸の弁護士・盛氏
この騒動挑発罪とは、該当する法律がないときに使われる罪名です。つまり何もないところから作り出されたものです。今日も同じようなことがありました。元夫の権利を守るために、深セン政府に陳情に行った73歳の女性が、この罪を理由に8か月も拘束されたのです」

中国大陸の人権弁護士・張建平氏
「騒動挑発罪は、もともとは流氓罪の延長でした。しかし現実には、多くの陳情者や言論の自由に対する取り締まりとして使われるようになったのです。そのため世間では、廃止が叫ばれているのです。例えば、恐喝や強要、金銭の要求など、故意に危害を加える者に対しては、相応の罪名が存在するので、既存の多くの法律の規定と矛盾し重複している騒動挑発罪は必要ないのです」

中国の人権活動家である張建平氏は、朱征夫氏が繰り返し「騒動挑発罪」を訴えていることに対し、感心を示しています。

張建平氏
「今回のことで注目すべきなのは、現在のこのような社会において、まだこの問題を提起できる代表者がいることです。この国と民族にまだ希望がある、折れずに戦っている人がいると思わせてくれました」

朱征夫氏は武漢大学法学博士で、現在は58歳です。湖北省錦州市出身で、北京浩天法律事務所の共同経営者のトップでもあります。 広東省弁護士協会の会長も務める朱氏は昨年、「騒動挑発罪」の構成要件には、明確性が足りないと指摘しました。そのため濫用されやすく、廃止されるべきだと訴えています。

 
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