近ごろ、米国を含む4か国が次々とパンダを中国に返還しており、中共の「パンダ外交」が挫折続きの状態となっています。果たして何が起こっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
その希少性と可愛らしい姿から、ジャイアントパンダはこれまでも世界中で人気を博してきました。
しかし最近、中共の「パンダ外交」に陰りが見え始めています。1か月以内に、米国、日本、英国、フィンランドが次々とパンダを中国に返還すると発表しました。今年は少なくとも9頭のパンダが中国に返還されると予想されています。
今月3日、「パンダが集団帰国」というトピックが中国のSNS上で話題になりました。人々は、「皆パンダが好きではなくなったのか?それとも養えなくなったのか?」と疑問を呈しています。
時事評論家・唐靖遠氏
「本当の理由は、パンダが昔から政治の動物として扱われ、中国共産党政権の象徴として扱われてきたからです」
時事評論家・唐浩氏
「かつてパンダは中共の統一のための道具として批判されていましたが、各国は中共と関係を良くするために、見て見ぬふりをしてきました。しかしここ数年、中共は疫病を隠して蔓延させ、人々の健康と経済に害をもたらしただけでなく、戦狼外交や軍事拡張、スパイなどにより、多くの国に安全保障上の脅威を与えています。パンダもこうして中共に引きずり下ろされ、歓迎されない『中共のシンボル』となってしまったのです」
英国メディアは「パンダの飼育にかかる費用が高すぎる」と報じています。
パンダの飼育は一般的に、リース料だけでも年間100万米ドル(約1億3500万円)にも上るといわれています。その他さらに、餌代や施設費、保険料などがかかります。通常、中国はリース期間を10年と定めており、期間満了後は返却することになっています。最近では多くの国が、契約の更新をせず、期間満了をもって返却することを選択しています。
事の背後にある真の理由が、注目を集めています。
時事評論家・唐靖遠氏
「パンダのリース料や飼育費が高いというのは、客観的な理由に過ぎず、契約満了というのも二次的な要因に過ぎません。パンダは大きな動物ですが、気性はとても穏やかで、人畜無害でありとても好かれています。このように長い間、パンダは中共政権のイメージを大幅に和らげ、飾り立てていたのです。つまり、中共は自ら自分とパンダのイメージを縛り付けていたということです。しかし、中共の悪辣で猛々しい顔が明らかになった今、各国は徐々に目が覚め、パンダへの関心が薄れたのでしょう。これはごく当然のことです」
また、中国の経済的衰退も、各国が中国から離れている理由のひとつです。
時事評論家・唐浩氏
「中国経済が後退している今、各国は政治的にも経済的にも、この『パンダ外交』を継続する理由はないのでしょう。つまり、パンダ熱の衰えは、まさに中共の対外関係の盛衰に対応しているのです。そして中国共産党こそが、パンダ人気を殺した張本人なのです」