米国務院は20日、「2022年国別人権報告書」を発表し、中国に関しては25件の人権侵害を挙げました。関係者は、中国共産党による生体臓器摘出については依然として注視していると明かしました。
今回の人権報告書では、中国、ロシア、イランなど人権状況が芳しくない国が挙げられました。
中国に関する部分は、87ページに及び、25件の中共による人権侵害が挙げられています。内容としては、政治的動機による殺害、強制失踪、恣意的な逮捕、拷問・虐待、公開された公正な裁判の拒否、国を越えた弾圧、政治犯の拘束、人々の表現の自由や宗教に対する厳しい制限、役人の腐敗があります。
中国人権弁護士・呉紹平氏
「報告書から、中共があらゆる面で国民の人権を侵害しているのがわかります。それも年々深刻化しています。報告書に記載されているこれらの人権侵害は、すべて事実で、人や出来事が伴っているものです。中には、私の友人や弁護士仲間に関するものもあります」
報告書によると、政治犯として逮捕された多くの人権弁護士らが、まだ刑務所に投獄されているか、あるいは釈放後も拘禁されているといいます。中には人権弁護士の夏霖氏や高智晟氏、許志永氏、唐吉田氏、常瑋平氏、李昱函氏、さらに、人権活動家の王炳章氏、陳建芳氏、人権ニュースサイト「六四天網」の創始者・黃琦氏、市民ジャーナリストの張展氏、法輪功学習者の卞麗潮氏らが含まれています。
報告書では、新疆ウイグル自治区でのジェノサイドと人道に対する罪はいまだに続いており、100万人以上が恣意的に拘束されたり、個人の自由を奪われ、広範囲な虐待や強制的な避妊・中絶、強制労働を受けていると指摘しています。
報告書の発表に際して、ブリンケン米国務長官は、中共が人権侵害を続けていることについて批判を示しました。
アントニー・ブリンケン米国務長官
「ウイグル族へのジェノサイドや人道に対する罪、チベット族に対する弾圧、香港における基本的権利の抑圧、中国本土における基本的自由を行使する個人を標的にした悪行など、許されるものではありません」
またブリンケン氏は声明の中で、それでもなお勇気と良心をもった人々が、人権を守り、地域社会の幸福と国の未来を守るために、身を挺して立ち上がっていると語りました。
報告書ではさらに、国の人権報告書は、中共による臓器狩りの問題も取り上げており、中共による法輪功学習者などへの臓器狩りの最新の証拠も掲載しています。
呉紹平氏
「米国が発表した人権報告書では、中共による法輪功をはじめとする信仰の自由への迫害を挙げ、臓器狩りの問題にも具体的に言及しています。いずれも詳細な事実に裏付けされたものです。しかし、中共はこれらを決して認めようとせず、米国からの批判に対して抵抗さえしているのです」
記者会見で、エポックタイムズの記者は、この残虐行為を終わらせるために、国務院はどのような措置をとるのか質問しました。
米国務院国務長官補佐エリン・バークレイ氏
「この問題については追跡調査をしています。臓器狩りは人権報告書の中でも言及されています。私たちは、広範な人権および人身売買の問題として、引き続き注目していくつもりです」
法輪功への迫害を追跡調査する国際組織の代表・汪志遠氏は、中共の臓器狩りの犯罪に対しては、すべての政府が関心を持ち、悪行を止める必要があると述べています。
法輪功迫害追跡調査国際組織の代表・汪志遠氏
「中共の法輪功学習者に対する臓器狩り、この全国にまで広がっている大量殺人は、1999年末に始まり、現在も続いています。追跡調査組織は2006年3月から調査を開始し、現在に至るまで調査を続け、ようやく中共を国家犯罪として法廷に立たせるのに十分な証拠を入手したと言えます」
1999年7月、中国共産党は法輪功学習者に対する残忍な弾圧を開始しました。2006年には臓器狩りの悪行が国際社会に暴露され、近年では欧州議会や米国の数十の州や都市で生体臓器摘出を非難する決議や、実行者の責任を追及するための法案が出されています。