ジャック・マー氏が中国に帰国した翌日、アリババのダニエル・チャン(張勇)CEOは、過去最大の再編計画を発表し、同社を6つの部門に分割するとしました。 その詳細をご覧ください。
3月28日、アリババCEOのダニエル・チャン氏は、アリババ史上最大の再編計画を発表しました。
今回の再編では、ショッピングサイト「タオバオ・テンマオ」事業グループを除き、アリババの事業を「6部門」に分割します。この6部門は、今後もアリババの完全所有とし、それぞれ個別に資金調達や株式公開を行うことができます。
アリババによると、これは設立以来24年間で最も重要な「組織的変化」になるといいます。
米サウスカロライナ大学ビジネススクールの終身教授謝田氏
「普通の会社や普通の国では、このような分割は会社のさらなる成長を意味します。会社が十分に発展したから、分割してそれぞれの部門を単独で成長させようとするのです。しかし、中国はどうでしょう。これは、中国共産党(中共)がどうコントロールするのかという問題が絡んでいると思われます。もうひとつ、中共はすでにジャック・マー氏のような個人企業家を恐れています。 あまりにも大きく成長し、力があり、その上、豊富な資本があるため、中共や他者が脅威を感じるからです。分割の目的は、事業発展ではないかもしれません。むしろ、うまくコントロールするためではないでしょうか」
アリババの再編計画の発表は、ジャック・マー氏が中国に帰国した翌日に行われました。それ以前は、マー氏が中共当局を怒らせた疑いのある発言をしたために、表舞台から姿を消し、1年以上、海外に住んでいたとされています。
「ブルームバーグ」は以前、中共は景況感を高めることを期待してマー氏に中国に戻るよう説得してきましたが、マー氏は同意しなかったと報じました。
2021年春から、北京当局は、アリババのアントグループの上場停止や、多数の大企業への高額な罰金の賦課など、プラットフォーム経済、テクノロジー産業、ゲーム産業、教育分野などに関わる規制を相次いで発表しました。この一連の規制措置は、民間企業に大きな打撃を与えています。
しかし、昨年12月に疫病に関する封鎖規制が緩和されて以来、習近平氏は複数の会合で「経済を総合的に把握する」必要性を強調し、個人企業への支援も表明しています。
雑誌『北京之春』の名誉編集長胡平氏
「世界が中国経済の方向性を疑っているのは、習近平が原因です。昨年、彼は改革開放以前に戻るような方針、つまり大きな方向転換をしたからです。 そのため、中国の改革開放の継続を期待する人々の信頼を回復するために、何かしなければなりません。そこでジャック・マーが帰国したのだと思います。 なぜなら、ジャック・マーのアリババは中国民間企業の看板だからです」
しかし、専門家は、中共当局の民間企業に対する統制は変わらないと考えています。 そして、マー氏も、中国の民間企業に対する人々の信頼も、過去に戻ることはないでしょう。