AIチャットサービス「ChatGPT」の登場は、利便性とともに懸念をもたらしています。このほど、イタリア政府が世界で初めてChatGPTを禁止すると発表しました。イタリア当局は20日、これまでにChatGPTによる情報の流出があったことを公にしました。
韓国Samsungの一部事業部で、ChatGPTを導入したところ、わずか数週間で機密情報の漏洩が発覚しました。また、イタリア政府は「プライバシー侵害の疑い」があるとして、世界で初めてChatGPTの全面禁止を発表しました。
イタリアのデータ保護当局は、先月20日に発生したChatGPTの情報漏洩事件を受け、開発元の米OpenAIに対し、イタリアのユーザーデータの利用を一時的に制限しました。当局は、ChatGPTの「人間味のある」会話方式が、ユーザーに自然に個人情報を明かさせ、大量のユーザーデータを収集し保存することを懸念しています。さらに、年齢確認の仕組みがないため、子供が不適切なコンテンツにさらされる可能性があるとみています。
欧州刑事警察機構であるユーロポールはこれまでも、高度なAIの倫理と法律との関係性について懸念を示し、フィッシング攻撃や偽情報の拡散、犯罪者による不適切な使用やこれによる犯罪などに警鐘を鳴らしてきました。今回のイタリア政府の世界初の行動は、どのような効果がもたらされるのでしょうか。引き続き注視していきます。