中国江西省から、南米の国を経由し、苦労を重ねやっとの思いで渡米したある教師が、自身の体験を涙ながらに語り、自由社会に暮らす人々に中国共産党(中共)に対して警戒するよう忠告しました。
米国税関国境警備局によると、2023年1月に米国南部の国境で逮捕された中国人は1084人に上り、昨年1月の89人に比べ、10倍以上に増えています。
そのうちの一人である中国江西省出身の教師、翟德雲さんも昨年末、南米から山を歩いて米国に渡りました。米国までの道のりは、中国人であることを理由に警察とのやりとりにも苦戦の連続でした。
中国江西省から渡米した教師・翟德雲さん
「警察は私たちが中国人だとわかると、Chino(中国)、Chino(中国)と叫びました。難民キャンプから通行証をもらったのですが、それを見た警官が破り捨ててしまいました。私たちを車内に戻らせて、引き返すよう言い、通行を許可してくれませんでした。結局1時間以上山道を歩き、とても揺れるロープ橋に差し掛かった時、妻が危うく水に落ちそうになりましたが、橋が揺れるので私も助けることもできず、彼女は自力で歩くしかありませんでした。妻は今日何があっても、絶対にこの橋を渡ると言ってききません。彼女はこのような強い信念をもって、ここまで来たのです」
翟さんは、その過酷な旅の中、ずっと「なぜ私は中国を離れたのか」とする内容を綴った手紙を肌身離さず持っていました。その手紙は、翟さん自身が翻訳ソフトを使って、スペイン語に訳したもので、機会があるたびに警察に見せていました。
翟德雲さん
「このような生活をしなければならないほど、中国が貧しいというわけではありません。 中共政権のその欺瞞性、そして人々への侮辱、私に対する強制退去命令、これらを私は受け入れることができないということです。あれもだめ、これもだめ。私たちには選択権もなければ、話をする余地もありません。大紀元が出した『九評共産党』にあるように、とてつもなく邪悪な存在なのです。私の仲間たちも、少し何かを発信したり、WeChatで何かを投稿したりしただけで、逮捕されたり、刑を科されたりしているのです」
翟さんと共に行動していた張さんという若者がいました。その張さんの話になると、翟さんは思わず声をつまらせました。
翟德雲さん
「張さんのように若くて、学識もある子たちは、少なくとも中国で餓死するようなことはないはずですが、なぜこれほどの大きなリスクを背負って、苦しんでいるのでしょうか。張さんが、自分のズボンを捲って警察に見せると、白い肌には赤い腫れと黒い斑点があちこちにありました。また虫刺されのような跡も体中にあり、張さんは目に涙を浮かべながら、『なぜ私たちはこんなに苦しまなければならないのでしょうか?なぜこんな目に遭わなければならないのでしょうか?これはすべて中共の罪です』と自分の辛さを吐き出していました。私の息子はスペイン語が話せたので、警察に張さんの言葉を伝えると、警察は私たちに同情してくれました。中共は本当に邪悪すぎると思います。平和な社会にいる人々は、本当に油断してはいけません。この(中共の)邪悪が文明国家を侵略することを許してはいけないと、声を大にして伝えたいです」
翟さん一家は、現在は米国で無事に暮らしていますが、彼は中共が滅び、堂々と祖国に帰れる日を心待ちにしています。