中共 外資へ圧力強化で31億米ドルが撤退

中国共産党(中共)の戦狼外交外国企業に対する検閲の厳格化により、中国から外資撤退が加速しています。先週水曜日までの5日間で、31億7000万米ドル(約4300億円)に相当する外資が中国から撤退しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ここ数週間、中共は上海と北京の米国企業のオフィスを調査し、さらに日本企業幹部を逮捕しているほか、反スパイ法を改正し、外国企業が中国で活動するリスクを大幅に高めています。

金融コンサルタント会社Exante Dataによれば、世界の投資家は上海・深圳・香港ストックコネクトのクロスボーダー取引を通じて、過去5営業日において中国株式市場から31億7000万米ドル(約4300億円)を引き揚げたといいます。

中国政法大学の国際法修士である賴建平氏は、今回の反スパイ法の改正だけでも、多くの外国人投資家を脅かすのに十分だと指摘しています。

中国政法大学の国際法修士・賴建平氏
「この法律を改正する目的は、独裁政治の強化です。意図的にそれを曖昧にし、定義を拡大し、騒動挑発罪のようにするのが目的です。この罪を利用して、誰でも罰することができるようになる。そうすれば、多くの潜在的な投資家が、中国での投資や取引を思いとどまることになるでしょう。今現在、中国でビジネスをしている人たちは、徐々に撤退していくでしょう」

在中国米国商工会議所の新しい調査によると、投資先として中国より他国を優先的に考慮すると回答した人は約27%で、昨年の6%から大幅に増加しました。

これについて、中国本土の企業家たちは、中国からの外資撤退が加速しているのには、重要な理由がいくつもあると考えています。

中国の企業家・黄氏
「中国は現在、内憂外患の状態ですが、中共政権の高官らは、改革開放の誠意を示すための有益な措置を導入しておらず、内外の信頼を高めていないのが実情です。外国企業が望んでいるのは、開放的で透明性のある自由な市場と、安定した平和な国際環境なのです」

黄氏は「ロシア・ウクライナ戦争で、世界中が侵略者を非難しているのに、我々の指導者はあろうことか自分とプーチンは結ばれている」と語っています。

黄氏
「これでは、世界の金融経済界にどうやって中国を信頼させられるでしょうか。結果としてロシアが戦争に負ければ、中国は巻き込まれる可能性が高いです」

黄氏はさらに、中共当局が盧沙野駐仏大使の放言を黙認したことが、外国人投資家の信頼にさらに影響を及ぼしていると述べています。国際関係が良くないこの状況下で、外国人投資家は中国がいずれ世界的に包囲されるのではないかと不安になり、資本を引き出せなくなる前に、早めに撤退することを選んだといいます。

黄氏
「第二の問題は、中共政権が行っている多くの政策が、時代に逆行しているのではないかということです。最近の農業統制では、農村が大混乱に陥りました。人々は社会的な危機が迫っているのではないかと感じています。資本にとっては、安全が常に最優先です。これが富裕層や外国人投資家が逃げ出したくなる理由です」

 
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