武漢の市民ジャーナリストである方斌氏は2020年、武漢の疫病について虚偽の情報を流したとして、中国共産党（中共）から3年の禁固刑を言い渡され服役中でした。先月30日に3年の刑期を終えた方斌氏は釈放されました。
ドイツの放送メディア「ドイチェ・ヴェレ」の1日付の報道によると、方氏は出所後、以前から噂されていた北京に住む息子と合流しました。しかし、現在一緒に暮らしてはいないということです。
2人は合流後、共に食事をし、息子は方氏のために服を買いました。出所した30日に、方氏は武漢に戻るチケットを購入し、1日午前7時頃には武漢に戻ったとされています。現在は姉の家に一時的に滞在していますが、警察の厳しい監視を受けています。
出所から現在に至るまで方氏は公にいかなる発言もしておらず、実際の状況はわかっていません。
ある情報筋によると、方氏の行方を気にかけていた一部の武漢市民も、最近は警察から圧力をかけられているとのことです。彼らは方氏の獄中での状況や心身の状態などについて疑問を抱いており、度重なる拷問は様々な後遺症を残す可能性があるため、刑務所内での様子を知ろうとしています。
中国の人権問題に関心を持つ英国の人権活動家・王剣虹氏は、「ドイチェ・ヴェレ」の報道に対し、方氏の家族は方氏が逮捕された後、当局の圧力により一切の発言ができなかったために、世間は方氏の状況についてほとんど何も知らないと述べています。王氏によると、方氏の妻も重い判決を言い渡され、現在獄中で迫害を受けています。夫婦ともに「良心の囚人」として投獄されたのです。そして、世間が最も関心を寄せているのは、この数年間、獄中で方氏がどのような境遇にいたのかということでしょう。
もともと武漢でアパレル業を営んでいた方斌氏は、2020年1月、当時武漢の病院内で多くの感染者が死亡する様子を撮影した動画を公開し、世界中から広く注目を集めました。 しかし、同年2月9日に武漢警察によって自由を制限され、4月下旬に逮捕されました。 その後メディアの暴露によって初めて、方氏が2021年に騒動挑発罪で懲役3年の実刑判決を言い渡されたことが明らかになりました。先月30日に刑期を終え、釈放されたということです。その後、ある文書の流出により、中共の中央委員会が方氏の裁判と判決に介入していたことも明らかになりました。
