趙紫陽氏の元側近 執筆を禁じられる

元中国共産党(中共)総書記の趙紫陽氏の有能な顧問として知られていた姚監復氏は、現在北京の老人ホームで生活しています。しかし関係者によると、中国の著名な学者であった姚氏は、個人的な自由を制約され、記事の執筆さえ禁止されているといいます。

3日、北京でジャーナリストとして活動する高瑜氏が友人と房山隨園老人ホームに姚氏のお見舞いに行きました。電話で予約をしていたものの、姚氏に会えるまでに時間がかかったと話しています。高氏は新唐人の取材に対し、現在、糖尿病を患っており、さらに耳が遠く、視力が悪いため、近くまで寄らないと誰か判別できない状態だということです。

高瑜氏
「最初は会わせてもらえませんでした。必死に交渉して粘って、最終的には入口のところで会えることになりました。姚さんは今、自由がなく、記事を書かせてもらえない状況です。彼はパソコンが使えないので、ペンで書くしかないのですが、今は何も書くことが許されず、非常に苦しいと言っていました」

写真からわかるように、高氏らは車道上で、ガードレールを挟んで対面しました。高氏によれば、対面中、赤い服を着た女性がずっと見張りをし、動画の撮影を阻止しました。対面の時間は短く、数十分間しか会えなかったといいます。

高瑜氏
「見張り役の女性が姚さんを引っ張って、戻って食事をするように言って連れて行きました。私たちは10時過ぎに着いたのですが、姚さんは10時40分に食事を理由に老人ホームの中に戻されました。姚さんが見張り役に食事は部屋に置いてほしいと言うと、それは許されないとばかりに、見張り役は姚さんを引っ張って立ち上がらせたのです。職員は、世話をするのが当然なのに、 いじめて見張るなんて、まるで刑務所と同じです」

高氏によれば、姚氏の妻も身体の状態があまり良くなく、身体が不自由だといいます。以前、2人は河北の企業家・孫大午氏が経営している老人ホームで生活していました。そこは、料金も安く、暮らしやすかったといいます。しかし、現在のところに住んでから2年、友人とも会えないばかりか、毎日監視されているのです。姚氏は以前自宅で生活していた時も、ずっと監視され、買い物をするのも必ず監視役が付いていたそうです。

91歳になる姚監復氏は、元中共中央委員会の総書記・趙紫陽氏の「頭脳」だったことで知られています。また、かつては中共中央委員会農村政策研究室、国務院農村発展研究センターの研究員を務めており、1992年に農業部農村経済研究センターで定年まで勤めた人物です。また2008年には中国の「公共知識人100人」にも選ばれています。

 
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