台湾の与党民進党の総統候補である頼清徳氏は20日、高校生を対象とした国際知識コンテスト(WQC)の表彰式に出席し、若い世代と交流を行いました。さらに、今回の選挙は民主主義と独裁主義を選択する岐路であると改めて言及しました。
式典では、携帯を片手に学生たちと自撮りする様子も見られました。頼氏は近頃、若い民衆の票の獲得に力を注いでいます。2024年総統選挙では、各陣営の候補者リストがほぼ確定しています。頼氏は20日のインタビューで、台湾では民主主義が未曾有の危機に瀕していると述べました。
総統選の与党民進党候補・頼清徳氏
「台湾の民主主義は未曾有の危機に瀕しています。この危機は中国共産党(中共)の文化的・軍事的攻撃の脅威による結果です。文化的攻撃を受け入れるか、あるいは武力による脅しに屈するか、いずれにしても台湾の主権は失われ、中華民国(台湾)は消滅してしまう恐れがあります」
頼氏は、中共が「1992年コンセンサス」や「一つの中国原則」、「平和的統一」と謳っているのは「文攻」、つまり言葉での攻撃であるといいます。また中共が台湾海峡での軍事演習を行い、台湾攻撃をあきらめないことは、「武嚇」、つまり武力で威嚇することであるといいます。さらに、今回の選挙は、民主主義と独裁主義を選択する岐路である選挙だと強調しました。
頼清徳氏
「野党・国民党の推薦候補者が『1992年コンセンサス』と 『一つの中国原則』を受け入れたことは非常に残念です。台湾を分断しているのは中共であり、台湾の誰でもありません。台湾を分裂させているのは中共で、台湾のどの個人でもありません。中共が台湾の分裂問題の責任を他人に押し付けるのは間違いです」
台湾民衆党の柯文哲主席と新北市の侯友誼市長が、総統に当選した場合は、立法院に対し国政報告をすると発言したことに対して、頼氏はこう答えています。
頼清徳氏
「侯市長も柯前市長も議会経験がありません。立法院の議員連盟は、総統が立法院に来て国政相談をした後、行政院長と同じように立法院の質疑を受けなければならないと要求していますが、これは現在の憲法制度に違反しています。総統が国政相談を今まで実行できていないのはそのためであり、総統個人の意志によるものではありません」
蔡英文総統は先週土曜日の就任7周年記念講演で、「頼氏はかなりの条件を備えている」「国の指導者にふさわしい」と述べ、また「社会に対してより個人的な資質を発揮することを期待する」と、強い支持を示唆しました。