先週、中国共産党(中共)のスパイ2人が法輪功に対する国境を越えた弾圧に関与したとして、FBIに逮捕されました。起訴状によると、彼らは法輪功の迫害を専門とし、特殊な地位と法外な権力を有する「610弁公室」の直接指揮下にあったことが判明しました。今回の逮捕により、中共のスパイに関連する情報がさらに出てきています。
米司法省は先週、中共の海外でのスパイ活動に関与したとして、親中共派のリーダー格の華僑2人を逮捕しました。起訴状には、その手口を外部から洞察するための4つの大きな情報が明らかにされています。
(1)「長きにわたり、610弁公室の主要拠点は中国の天津にある」「以前から知られているように、法輪功迫害に関わる中共政権の関係者は、天津に集中している」
(2)ロサンゼルスに住む華僑リーダーの陳軍は、資金援助と指示を受けるために中国へ渡航しました。 陳軍は以前電話で、中共指導部は「法輪功打倒」のためには資金を惜しまないと話していました。
(3)5月16日、FBIは陳軍と林峰の通話を傍受し、通話の中で陳軍は、会っていた中共の幹部が「この件の担当者だった」と発言していました。
(4)また別の時には、陳軍はFBIの覆面捜査官に、自分と中共幹部は「血を分け合った兄弟のようだ」と話しました。「私たちは20年から30年前に法輪功の創始者との闘争を始めた」と語りました。
これらの起訴内容に伴い、海外に逃亡していた610弁公室元職員の郝鳳軍氏が610弁公室の内部事情を明らかにしました。
郝氏によると、中共は天津で会議を開き、秘密部隊の国外派遣を検討していたといいます。「秘密部隊3カ年計画」の会議によると、特務地域分割として、北米と豪州は同一の指示系統に属し、すべて天津の610弁公室が管轄するとされています。
中共は、中国から派遣されるスパイのほかに、現地の中国人や、さらには外国人をスパイとして買収することもあるといいます。スパイは集めた情報を現地の610弁公室、北京公安部の610弁公室に報告します。それから北京の610弁公室から外交部に報告され、外交部がそれを各国の中国大使館にフィードバックするという流れとなっています。そのため、海外にあるすべての中国大使館にはブラックリストが存在します。他にも、郝氏は「コード180」と呼ばれる天津のスパイが、ニュージーランドのオークランドの教会でスパイ活動を行った事例を詳しく紹介しました。
郝氏は、中共による法輪功迫害の巨大スパイ機関として、610弁公室には次のような特徴があると指摘しています。
(1)610弁公室は国際社会から「見えない存在」であることが求められ、バレないように内部の指示を伝えることに気を配らなければならない。その指示は公文書にはなく、暗号化された形でしか伝わらない。
(2)610弁公室は、法輪功への迫害を糧とする巨大なシステムである。人員と資金コストは膨大で、財政部からの直接的な支援は毎年数億人民元にのぼる。
(3)610弁公室の権力は非常に大きく、法輪功の状況をコントロールするために、大きな権力を持つ他の警察部門、例えば戸籍管理部や治安管理部などを動員し、法輪功の状況を管理することができる。
(4)610弁公室の組織の目的は非常に明確で、法輪功を打倒することである。海外のすべてのスパイ部隊に法輪功の監視を行うよう要求し、中国国内でも毎日政治教室を開き、警察官を洗脳している。
郝氏は、「このシステムは、従来の組織的な運用システムよりもはるかに隠密性が高く、洗練され、効果的です。各人が単独で、国家安全部の直接管理下にあり、他の誰とも関係をもたないからです」「自分のリーダーに、情報を報告するだけなのです」と語っています。