米国のブリンケン国務長官が中国に到着する前日、米国務省公式サイトのトップページが北京の風景に変わり、注目を集めました。
今年2月に予定していたブリンケン米国務長官の訪中は、中国のスパイ気球事件の影響で延期になっていましたが、18日、ようやく実現しました。前日の17日、米国務省の公式サイトは、ブリンケン氏の訪中について紹介し、トップページの写真を北京の王府井の風景に変更しました。
台湾の国立政治大学・国際関係学准教授の陳秉達氏は、「これは米中会談を前にした米国の善意のシグナルだ」と分析しました。
台湾国立政治大学・国際関係学・陳秉達准教授
「米国は会談前に親善のシグナルを発する必要があったのです。なぜなら、相手と対話をする必要があったからです。対話の目的は不必要な争いを減らすことであり、米中は何らかの事故が起きる可能性を減らさなければなりません。そのためには、両者のコミュニケーションの基盤が整っていなければいけません。それで中共の態度が変わるかどうかは、また別の問題です」
中国共産党(中共)外交部の汪文斌報道官は16日、ブリンケン氏の訪中期間中、双方は米中関係や共通の関心を持つ国際問題、地域問題について意見交換を行うと発表しました。中国は断固として自国の利益を守っていくとしています。また中共の公式メディアもブリンケン氏の訪問を大きく取り上げ、「米国務省のホームページが中国の街並み風景に変更された」ことが報道の見出しを飾りました。
時事評論家・施進氏
「ブリンケン氏が中国に来る前、中共の公式サイトなどでは、そちらが来るのだから、そちらが乞う側であり、私たちが乞うのではないと高らかに謳っていました。米国務省の公式サイトがあのようになって、さぞかし中共は、お気に召したことでしょう」
時事評論家の施進氏は中共のプロパガンダが米国に浸透していることを懸念し、米国民に中共に対する真の認識を促しています。
施進氏
「中共のプロパガンダが米国に浸透したことで、米国民は中共の邪悪さについての認識が薄れています。彼らが中共の邪悪さを真に認識することを切に望んでいます」
しかし、米国のジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は先週金曜日、「ブリンケン氏の訪中は米国の外交政策にとって最も重要な出来事ではなく、インドのモディ首相の今週の訪米がより重要であると認識している」との発言をしました。