NATO首脳会議で同盟国は共同声明を発表し、中国共産党(中共)を15回も名指しし、NATOに3つの主な「体系的脅威」をもたらしていると述べました。
ストルテンベルグNATO事務総長
「中国は、ロシアによるウクライナ戦争を非難せず、台湾を脅し、大規模な軍拡を行うことで、国際秩序にますます挑戦しています。 (NATOの)同盟国は、中国による脅威を避けるために協力を続けることで合意しています」
NATOのストルテンベルグ事務総長は、中共を「敵対国」とは定義していませんが、中共のますます透明性を欠く軍事的「強圧的行動」は国際秩序に対する明らかな挑発であると述べました。
NATO首脳会議が発表した共同声明の中で、加盟国は中共を15回も名指しし、中共がNATOに3つの主な「体系的課題」をもたらしていることを直接指摘しています。
共同声明の冒頭第6条では、中共が「野心的で強圧的な政策」によってNATOの「利益、安全保障、価値観」に挑戦していることを明らかにしています。
時事評論家の唐靖遠氏
「特にこの価値感に関して言えば、実はこの時点から、NATOと中共は明らかに両陣営の対立状態に置かれています」
そして第23条と第24条では、中共が近年、産業技術、サプライチェーン、サイバー、宇宙、海洋の分野でNATO加盟国の利益と安全保障にどのような影響を与えているかを詳細に列挙し、NATOが次にどのように対応すべきかを述べています。
唐靖遠氏
「中共が世界的に軍事、政治、経済の各分野で破壊的な影響力を投影していることが明確に記されています。 NATOから見れば、中共が今やっていることは直接的あるいは間接的にNATOを脅かしています」
共同声明の第25条には、「中国とロシア」のパートナーシップの拡大は「NATOの価値と利益に反する」と明記されています。 また、中共に対し、ロシアへの武器援助を停止するよう警告しています。
唐靖遠氏
「NATOにとって、中国とロシアは実は一心同体でしょう。 そしてある意味で、中共が現在のロシア・ウクライナ戦争でNATOにもたらした脅威と害悪は、ロシアの直接的な侵略に劣りません。なぜなら、中共の経済的・政治的側面における力は、実際にはロシアをはるかに上回っているからです」
この共同声明は、中共に対する歴史上「最も厳しい」NATOの姿勢と見なされています。しかし専門家は、この共同声明は「客観的事実」に基づいているだけで、中共が最も憤慨していることは、実は日韓同盟とNATOの「アジア太平洋地域への東進」戦略であると見ています。
中国問題の専門家 横河氏
「NATOの共同声明は中共に対して過去最も厳しいものですが、それでも比較的保守的です。 中共が最も恐れているのはNATOのアジア太平洋への東進でしょう。中共の南シナ海戦略を含む世界戦略がNATOの利益を侵害するので、発端はやはり中共です。それゆえ、NATOは何もしないで傍観することはできません」
唐靖遠氏
「この点(NATOの東方拡大)があるからこそ、中共はまさに痛手を負い、もっとも受け入れがたいと感じる重要なポイントです」