臓器提供で医療費免除 病院がチワン族男性を勧誘

中国の広西チワン族の男性・厳克維さんがこのほど、父親の厳邦国さんが交通事故で亡くなった後、病院から臓器提供を強要された一連の出来事について語りました。

息子の克維さんによると、父親は元国有企業の従業員で、会社が倒産した後は、ときどき権利を主張するための陳情活動を行っていました。そのために、国家安全部の監視対象でした。父親の邦国さんは2021年1月に、交通事故で頭部を負傷し、入院中に一時昏睡状態に陥りました。目覚めた後は、意識がはっきりとしていて、自分の病歴を明確に説明できたといいます。しかし数日後、邦国さんは突然、気管を切開され、眼は開いているものの意識がない状態が続き、ICUに送られました。病院側は原因を究明するのは不可能として家族に臓器提供を要請しました。

厳克維さん
「(病院側は)臓器の提供を検討するなら、赤十字は私たちの医療費を免除するだろうと言いました。それは一種の恐喝のようで、強制的に臓器を売らせるようなものです」

克維さんによると、意識がない父親は医療用テープで眼を覆われ、医師の説明では、角膜を保護するためだということです。

厳克維さん
「中国では、死ぬ時に体が不完全な状態で死ぬのはよくないとされています。父は事故で亡くなり、ただでさえ私たちにとっては突如として訪れた悲しみなのに、その上体の一部を失うなど考えられないことです。そのため、臓器提供は拒否しました」

集中治療室での治療費は1日1万元(約20万円)で、家族が臓器提供を拒否すると、医師はさらに薬の量を増やし、治療費が増えました。長期的な治療計画を立てなければならないが、費用は医療保険が適用されず、自費負担の必要があると述べたということです。

厳克維さん
「後から私はおかしいと思いました。もしかすると父は本来は助かったはずなのに、この生体臓器収奪と赤十字という非常に手慣れた組織のせいで、このような手段で私たちに臓器提供を迫ってきたのではないかと思います」

克維さんは2019年、「六四天安門事件」の追悼のために香港に行く計画を立てたとして、桂林市の公安に逮捕されました。克維さんは父親の件があってから、中共の法輪功学習者に対する生体臓器収奪を全面的に信じたと話しています。

厳克維さん
「7月20日は、私のニュージーランドに来てからの、つまり新しい人生の最初の誕生日でした。そして、父親の身に起こったことに対して初めて声を上げた日でもあります。このような日に、法輪功を支持する活動に参加すべきだと思いました」

 
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