中国でサル痘急増 WHOは5月に緊急事態解除

今年5月、世界保健機関(WHO)は、「エムポックス(サル痘)」について、これまでのサル痘は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には当たらないと発表していました。しかしその後、中国では、エムポックスの流行が拡大の一途をたどっているようです。専門家によると、サル痘ウイルスは男性と性的接触をもった男性の間で目に見えない形で広がっており、感染者の80%が単発症例であるため、予防や制御が困難であるといいます。

3年間にわたった中共ウイルスの流行もまだ終息していない中、エムポックスの流行が世界的に広がっています。WHOに報告された数だけでも、2022年1月から2023年4月までの間に、世界111の国や地域で8万7千件以上の感染確定症例が確認され、うち140人が死亡しました。

WHOは昨年7月23日、エムポックスの流行が国際的に懸念される突発的な公衆衛生上の緊急事態に該当すると宣言しました。

WHOによると、現在世界的に流行しているエムポックスの84%は欧州大陸で発生しており、ウイルスの発生源であるアフリカ大陸で確認されている症例数はわずか3%だということです。

その後、エムポックスの患者数が減少し、流行が落ち着いたとして、WHOのテドロス事務局長は今年5月11日、エムポックスの症例数が過去3か月に比べ90%近く減少したと発表し、流行は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」ではなくなったと宣言しました。

しかし、中国では依然サル痘ウイルスの流行が拡大しているようです。

中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)によると、6月には106件、7月には491件の新規感染が確認されたということです。

約3年にわたる中共ウイルスへの制限がようやく解除された矢先に、エムポックスの流行拡大が発生し、ネットユーザーからは「7月の感染症例が6月に比べてこんなに増えたのはなぜか」と疑問の声が上がっています。

米国の時事評論家・秦鵬氏
「人々の心配ももっともだと思います。なぜなら、中共は習慣的に感染症を隠します。それは、感染症患者が多過ぎると、恥ずかしい思いをするからでしょう。特に、エムポックスは世界中である程度コントロールされており、この時に中国で大規模な流行が発生すれば、大きな影響を与えることになるからです」

サル痘ウイルスの潜伏期間は通常6〜13日とされており、21日に及ぶこともあります。サル痘ウイルスは、皮膚に発疹や水疱ができるだけでなく、内臓や軟部組織に損傷を与えることもあります。重症の場合は死に至ることもあります。

カナダ中医学(漢方)学院・劉教授
「感染者のうち一定数は二重感染の可能性があります。中共ウイルスに感染した人が、こうした同性間での性的接触を続ければ、感染率が高まります」

CCDCの説明によると、中国で新たに増加した病例の特徴は、第一に、すべての感染者が男性であり、その96.3%が男性と性交渉をもった経験があること、そして第二に、他の接触様式による感染リスクは低いことが挙げられています。

劉教授
「中国社会では、同性愛に対して、いわゆる信仰などに基づく規制がない人が多く、社会的な評価が低いなどの面子を気にする人が多いです。つまり、この種の行動の発生率は実際には欧米よりも高く、ただ、隠されているので知らない人が多いのが実情です。中共のイデオロギーは、人々の思考をコントロールします。しかし人々のこうした危険な行動にはあまり関与しません。多くの場合、中共はある程度の寛容さがあり、それがこのような広がりを生んでいる理由でもあると考えられます」

中共国家衛生健康委員会が発表した「エムポックス予防制御方案に関する通知」によると、感染者は症例の状況に応じて、医療機関での隔離治療または自宅隔離治療を実施し、濃厚接触者に対しては21日間の自己健康管理を実施するとしています。

秦鵬氏
「中国の公衆衛生の状況はよくありません。中国ではしばしばホテルや他の公共の場所でエイズ感染が発生します。サル痘ウイルスの感染媒体や様式は、エイズと似ています。そのため、しっかり予防し、人の過密なところにはあまり行かないようにしましょう。また、日々の衛生をしっかりするように努力し、外出時には自分の身を守るようにしてください」

3年前のパンデミック発生前には、ウイルス発生源の武漢市が閉鎖される前に500万人が出国し、その行先はほぼ全世界に及びました。中共はこのほど、8月10日に、78カ国への団体旅行を開放しています。世界では、サル痘ウイルスが中共ウイルスに次ぐパンデミックの第二波になるかどうかが懸念されています。

 
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