英語版「エポックタイムズ」がこのほど、トビアス・エルバージ監督による最新のドキュメンタリー『ジェンダートランスフォーメーション:性別移行の語られざる現実』を公開しました。受賞歴をもつエルバージ監督は、トランスジェンダーの人々の経験を知り衝撃を受けたといい、このドキュメンタリーは非常に意義深いものだと話します。
トビアス・エルバージ監督
「スウェーデンは、唯一のトランスジェンダーに対する長期の研究を行った国で、30年から40年にわたります。すべての患者に対し追跡調査を行った結果、実際には想像と逆のことが起こっていることがわかりました。性別適合ケアを受け性別を変えたのに、その後の自殺リスクが高くなっているのです」
米国では最近、トランスジェンダーに関する話題が注目を集めていますが、一方でもっと早い段階でトランスジェンダーについて広く認知していたスウェーデンでは、却って慎重になっています。
トランスジェンダーのアーベル・ガルシアさん
「私は子供の頃、とても内気で内向的でした。ある時、YouTubeでトランスジェンダーという言葉の意味を知り、その後自分は男なのか、はたまた男児なのかと考えるようになりました。最終的には、私は女性であると思いました」
スウェーデン出身のエルバージ監督は、はじめこの映画を引き受けることにためらいを感じていたといいますが、トランスジェンダーの人々の経験を知って衝撃を受けたと語りました。
トビアス・エルバージ監督
「彼女(トランスジェンダーの子ども)は、立ち上がることが困難で、10分以上座っていることもできなくなりました。体の骨密度が非常に弱くなっているのです。もともとはとても健康だった子どもが、一生普通の生活ができない患者になったのです。 私は何が起こったのかわかりませんでした」
映像では、子どもが性転換を決意する前にこのように示されます。「カウンセラーは多くの場合、両親に性転換しなければ子どもが自殺する可能性があると伝えます」
映画のワンシーン
「子供さんは自殺の傾向があります。亡くなってしまう娘と、生きている息子、どちらを選びますか」
トビアス・エルバージ監督
「これは非常に重要な問題です。どうしてこんなことが起こるのでしょうか。どうすれば人々はこれに納得でき、 どうすれば医師に同意してもらえるでしょうか。カウンセラーに同意してもらうにはどうしたらいいでしょうか。つまり、カリフォルニアのように、同意しなければ免許を剥奪されるような、ごく一部のカウンセラーだけの問題ではないのです。医師と同じように、実際にはほとんどの人が反対しています」
トランスジェンダーの世界には大抵の場合、金銭と権力が絡んでおり、その背後には多くの億万長者がいるとエルバージ監督はいいます。
米国人作家・ウォルト・ヘイヤー氏
「カリフォルニアに、(トランスジェンダーの)手術で年間150万ドル(約2億2千万円)を稼ぐ外科医がいます。このようなクリニックの院長たちは、大金が手に入るのだから手術をしなければならないと言います。彼らは、この手術がどれほど大きなダメージを与えるか、自殺のリスクが19倍も高まることには決して触れません」
ドキュメンタリーではまた、トランスジェンダーの家族が愛と寛容さをもって、トランスジェンダーの憎しみなどを和らげる様子も描いています。
トビアス・エルバージ監督
「実際のところ、トランスジェンダーの活動家たちを見て、他の人にやさしさを与えながらも、彼ら自身が苦しんでいることを知りました。だから、彼らも自分の娘を通してその人たちを理解しようとしているのです。私にとって、それは力強いメッセージでした」