近年、中国共産党（中共）の軍用機や軍艦は、米国やカナダなどの国を標的に、国際空域や国際海域での妨害を続けており、各国からの非難を招いています。 中共が国際舞台で挑発的な行動を取れば、ますます多くの国々が対抗措置を取るようになるだろうとの分析があります。
10月17日、米国防総省は、中共の軍用機が米軍機を挑発し、危険な飛行を行ったとして、最近の15の具体的な事例を暴露する一連の画像とビデオを公開しました。
これには、高速での空中接近、フレア（照明弾）の発射、レーダー妨害片などの物体を投下して妨害するなどの行為が含まれています。
米国防総省のエリー・ラトナー・インド太平洋安全保障担当国防次官補は、記者会見で、2021年以降、中共の軍用機が南シナ海や東シナ海などの空域で米国や同盟国の航空機に嫌がらせをする危険な行為をすでに200回近くも行なっていることを明らかにしました。
台湾の政治評論家、黄澎孝氏
「航空機によるこのような干渉は双方にとって非常に危険なことです。したがって、中共の意図は嫌がらせであり、外国の航空機が台湾海峡を横断しないようにすることです。 彼らは、基本的に米国をライバル視していないため、まだ度が過ぎたことをしていませんが、カナダやその他の国々に対しては、非常に無礼な振る舞いをしています」
ラトナー氏は中共軍の危険な行動は、国際社会を威嚇・強要するためのものだと批判しています。しかし、米国は威嚇・強要に屈することはなく、米軍は国際法で認められたとおりに飛行・航行を続け、今後も毎日それを続けるだろうとしています。
黄澎孝氏
「今回、米国が統計を持ち出したことは、中国（中共）に対する対抗措置をより明確に警告するものです。 言い換えれば、米国が今後どのような対抗策を取るのか、その時、中国（中共）がたとえ後悔しても誰のせいにもできないでしょう。これまでの行いの報いがその身に返ってきたのですから」
その前日、カナダのメディアは、カナダ軍の偵察機が中国沖の国際空域で中共軍機に割り込まれて、一時は両者の距離がわずか5メートルしか離れていなかったことを明らかにしました。
危険な割り込み飛行に加え、中共軍機はまたカナダの偵察機の近くで数発のフレアを発射しました。
中華アジア太平洋エリート交流協会事務局長の王智盛氏
「私たちが注意しなければならないのは、北京は実際に、その支配範囲内で世界的なスパイ・監視プログラムを確立するために、あらゆる力を尽くしているということです。 また、空域での発言権を得るために、地域的な行動において極端な圧力を行使しています。 これらはすべて、既存の国際ルールや秩序と相反するものです」
カナダのビル・ブレア国防相は、中共軍機の行動を「容認できない」とし、「危険でプロ意識に欠ける」行動だと強く批判しました。
黄澎孝氏
「中国（中共）がこのような方法でいわゆる自立を確立しようとすること、さらには一部の主権を主張することは、国際法に完全に違反しています。 現在、国際社会はこのような振る舞いを受け入れることはできません。 したがって、中国（中共）がこのような方法で目標を達成したいのであれば、本当に世界のルールをまったく理解していないのです」
空中での挑発とは別に、中共の海上での挑発も後を絶ちません。
同じく16日、尖閣諸島付近で中共の海警船と日本の船舶が海上で対峙しました。 海上保安庁は2隻の中共海警船に対して退去を警告し、日本漁船への接近を阻止しました。
王智盛氏
「中共は東シナ海や南シナ海問題で常に国際社会のレッドラインを探っています。一方で東南アジア諸国の不満を、経済的誘惑を通じて解消させようとしているのかもしれません。 しかし、成功するかどうかは何とも言えません。なぜなら、中国自身の経済状況は悪化の一途をたどっており、これらの国々はもはや以前ほど中国に依存していないからです」
その前日、フィリピンのロメオ・ブラウナー軍参謀総長は、中共軍艦が先週フィリピン海軍の艦船を尾行し、進行を妨げようとし、両者の距離はわずか350メートルだったとする声明を発表しました。
フィリピン軍は、中共によるこの危険で攻撃的な動きは、双方の海上要員の生命を直接危険にさらすものだと指摘し、即時中止を要求しました。
黄澎孝氏
「南シナ海、特に台湾海峡は全世界の貿易と海運にとって重要な位置にあります。個々の国は、いかなる理由であれ、南シナ海に干渉したり、挑発したりすることはできません。 もし、そうした場合は主要国によって対抗されるでしょう。 したがって、中国（中共）がこのような行動をとり続ければ、将来、中国（中共）の世界における進路はますます狭くなっていくでしょう」
専門家は、中共が国際秩序を損なう挑発的な行動をとることは、より多くの国々を警戒させ、抵抗させるだけだと考えています。
