米商務省がこのほど、中国共産党(中共)のAI開発を阻止するために、半導体関連製品の輸出管理規則を更新しました。NVIDIAの文書によると、当初の10月17日から30日後に発動されることになっていた予定を前倒しにし、23日から実施したということです。台湾経済部は台湾のAIサプライチェーンへの影響は、間接的かつ限定的だとしています。
米国商務省は18日、半導体に関する一連の輸出管理規則を発表しました。世界有数の半導体メーカー・NVIDIAの最新文書によると、バイデン政権が当初の30日間の猶予期間を取り消し、10月23日に禁止措置を実施したことで、業界に激震が走っているとのことです。NVIDIAのA800、H800、そして以前禁止されたA100とH100、さらに8月に発売されたNVIDIAのAI専用に設計されたL40S GPUはすべて禁止対象に含まれています。
NVIDIAのCEO ジェンスン・フアン氏
「これは間違いなく中国市場や産業に影響を与えるでしょう。 もちろん、国家安全保障は非常に重要であり、米国の規制に従い、遵守することは最も重要で、我々もそうするつもりです」
NVIDIAのCEO・ジェンスン・フアン氏がこのほど、台湾で取材に応じ、禁止令が実際に関連する影響を与えることについて語りました。
専門家の分析によれば、NVIDIAの収益の20〜25%が中国市場からで、その中にはマイニングマシンやGPU、その他の製品があります。半導体事業のみでいえば、NVIDIAの収益のわずか5〜10%ほどで、米政府が禁止措置を早めたのは、中国の大規模な備蓄を避けるためだといいます。
半導体業界シニアアナリスト 柴煥氏
「米政府は今回、中国がチップの備蓄を続けるのを防ぐために、いわゆる緩衝期間を取りやめました。そのため、AMDとインテルのAIソリューションも、来年くらいにはブロックの対象となるでしょう」
中国メディアは、米政府が「全面的」に禁止令をエスカレートさせ、中国のAI発展への道を阻んでいると評しています。
台湾のAI関連のサプライチェーンでは、鴻海精密工業、ウィストロン、インベンテック、アルチップ、チェーンテック、リードテック・リサーチなど、中国のAI市場に注力している台湾企業が、業務上の影響を受ける可能性が高いとみています。
中華民国経済部長 王美花氏
「台湾は関連する顧客メーカーのOEMであるため、または顧客の需要に応じて出荷するため、比較的間接的な立場です。現在、AIとAIサーバーなどは供給不足なので、影響は比較的限定的なはずです」
専門家は、AI産業全体は2024年から2025年にかけて急速に発展し、中国市場を除けば北米、欧州、中東は成長を続けるとみています。仮に中国市場が失われたとしても、TSMCやその他の関連企業にとっては商業活動が若干減少する程度で、全体的なマイナス影響は限定的だと考えています。