アリペイの実質的な支配株主がいなくなった後、ジャック・マー氏の事実上の支配下にあったアント・グループ傘下の香港上場企業6社の株式権益は「クリア」されました。調整されたアント・グループでは、もはや直接的または間接的な株主による単一または共同の支配が存在しなくなりました。中国のネットユーザーは、これが私企業の最終的な結末であり、「共産主義化」されたと言っています。
アリペイは最近、中国共産党(中共)中央銀行の承認を受け、実質的な支配者がいない状態に変更されました。言い換えれば、企業の株式は依然として私有のままですが、支配権は国有化されたのです。つまり、ジャック・マー氏はアント・グループの支配権を失ったということです。
香港メディア「経済通」によると、マー氏とその関係者が保有していた香港の6つの上場企業の株式が、2023年12月28日にゼロになったといいます。マー氏もまた、「アリペイ」の経営から正式に撤退し、アリババ傘下のアリペイは実質的な支配株主を持たない状態となりました。
米サウスカロライナ大学エイケン校の謝田教授
「実際、ジャック・マーは強制的に(株式を)放棄させられました。かつて資本主義の『工業商業団体』が、満面の笑みで自らの事業を共産党に引き渡したその晩、頭を抱えて妻子と大泣きしたのと同じことです。今回のことは、まさに70年前のあの資本主義の『工商業団体』が社会主義に改革された時のように、共産党による資金の収奪が再び行われました」
大紀元コラムニストの王赫氏
「中共当局は実際の支配者を持つべきでないと要求しています。ですから、それには二重の意味があると考えられます。まず、ジャック・マーがあまりにも人目をひきすぎている上に、頻繁に中共を怒らせていることです。そのため、ジャック・マーのアント・グループに対する支配を取り除かなければなりません。そして、アント・グループは約8千万の事業者と10億人の消費者にサービスを提供しており、中共にとっては巨大な電子情報設備および基礎設備です。これは国家の経済にとって非常に重要であり、個人がそれを支配することは許されないのです」
調査によれば、中共はアリペイ社の株式の5%以上を所有しています。ジャック・マー氏のアリペイ社に対する支配権が次第に低下する中、中共は必然的に企業内の発言権を握ることになります。
米国の財経メディアによると、アリババ・グループは2014年にニューヨーク証券市場で218億ドルという調達規模で上場し、世界最大の新規公開株式募集(IPO)記録を樹立し、国際舞台に華々しく登場しました。しかし、2020年に株価がピークに達した後、昨年11月には米国株の株価は約77ドルまで急落し、下落幅は75%に達しました。
謝田教授
「中国の経済は発展している時期において、繁栄するのです。皆がお金を稼げる時期において、中共はおそらくこの投資家たち(ニラ)がもう少しでも高く、強く成長できるようにするでしょう。そうすることで、彼らはより多くの投資家(ニラ)を収穫できるでしょう。ジャック・マーはまさに中国の私有企業の中で最も大きく、最も太く、最も生茂ったニラです。しかし、今、このニラもついに刈り取られました。実際、これこそ習近平政権が計画経済に回帰し、党の本質である略奪を復活させ、私有企業を包括的に刈り取り始めたものです」
アリペイは中国最大の支払いプラットフォームであり、もともとはアント・グループが支配していました。しかし、2020年に中共政府がアント・グループの上場計画を中止させた後、規制当局がアント・グループに一連の改革を求めた際に、アリペイの分割も含まれていました。
王赫氏
「当局によれば、民間企業の発展はその統治に協力するのみであり、その統治に挑戦してはいけず、統治による管理が制御不能になってもいけません。彼らが考えるのは一種の鳥かご経済であり、どれだけ高く遠く飛んでも、彼らが定めたかごの範囲内でなければなりません。したがって、この視点から見ると、これらの民間経済は中国で非常に限られた発展空間しかなく、中共が気まぐれな行動を起こすと、国民の生活や先行きが真っ暗になります。今回、ジャック・マーは正式にアント・グループの実際の支配権を失いました。これは中国の民間企業家をますます冷え込ませるでしょう」
評論家は、これはただの始まりであるとみており、将来的には中国の重要な産業において、中共が同様の行動をとることが予想されています。