「六四天安門事件」の35周年を前に、5月28日に中国のネット上で、北京の天安門広場の外でタクシーがバリケードに衝突し、警察官が倒れている様子が映った動画が拡散されました。
映像では、タクシーが天安門広場の外側にある長安街のバリケードに向かって急加速し衝突したようです、警察によって囲まれ窓が割られている様子が確認でき、そこから少し離れた場所で、警察官が地面に倒れています。
事件が起きた時間と場所が非常にデリケートなため、中国のネットユーザーの間で様々な意見が交わされています。中には、「タクシーの運転手の意図が政治的であろうと、事故であろうと、中国共産党政府の厳しい対応を受けることになるだろう」との声もあります。
香港、47人の民主派関係者 14人が有罪判定
香港の高等法院は5月30日、国家安全法に基づく最大のケースである「民主派予備選挙事件」に関する裁判で、47人の被告の中で無罪を主張した14人に対して共同で「国家政権転覆を図った」として、有罪を宣告しました。彼らは最悪の場合、終身刑に直面することになります。
これは中共による香港の民主派への最大の弾圧事件で、47人の民主派関係者が「国家政権転覆罪」で起訴され、その中で16人が罪を否認しましたが、無罪とされたのは2人だけでした。
批評家たちは、この歴史的な判決が、香港の法の支配と国際金融センターとしての評判に、さらなるダメージを与えたと指摘しています。
この判決は国際社会からすぐに非難されました。
オーストラリアの外務大臣ペニー・ウォン(黄英賢)は声明を発表し、「47人事件」の関係者に対する有罪判決に「強く反対」し、深刻な懸念を示しました。彼女は「今日の判決、特にオーストラリア国民である吳政亨氏に下された有罪判決に対して、我々は非常に心配しています」と述べています。
欧州連合(EU)外交部も声明を出し、民主派の47名が政治的な理由で起訴され、長期間の拘留と保釈拒否に直面していることについて、深い懸念を表明しました。これらの措置は、香港の基本法が保障する法の支配への信頼を損ねています。
EUは、この判決が香港の基本的自由と民主的参与の一層の後退を示していると指摘し、平和的な政治活動によって被告が罰せられることは、基本的な民主主義の原則を尊重する、いかなる政治体制においても認められるべきではないと述べました。
米国ニューヨークに本部を置く国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」も、平和的な活動に参加した14人に対する香港法院の顛覆罪の判決が、民主的な政治プロセスと法の支配を完全に無視していると批判しました。
同団体の中国部代理主任、王松蓮氏は、香港市民が求めているのは自由な選挙を通じて、政府を選ぶ機会であり、中共政府や任命された香港の裁判官の見解に関わらず、民主主義は犯罪ではないと強調しました。