中国では連日、金価格が大幅に下落し、微博で話題になり、市場に不安をもたらしています。なぜ中国の金価格が下がったのか、専門家の分析を見てみましょう。
市民の声:「やっぱり金価格が急落しました。今日も下がるのでしょうか?」
市民の声:「金がどうして540元まで下がったのでしょう?」
月曜日には、中国の金の価格は1グラムあたり544元でしたが、中国の有名な金買取店では、金の価格が最高で1グラムあたり716元に設定されており、先週の金曜日の1グラムあたり731元から15元下落しました。
先週から、中国の金市場に大きな変動が起きており、「金価格が大幅に下落」というトピックが一時的に微博でトレンド入りしました。
6月8日には、北京の金専門店で、最大で1グラム当たり70元の価格が下がりました。店舗側は、この価格下落は国際的な金価格の大幅な下落と、端午節のセールなどの影響を受けたと述べています。
米国のサウスカロライナ大学エイキン校の謝田教授
「中国の市民が収入の減少を感じたり、金への投資需要が下がったりしていること、中国共産党(中共)の中央銀行が金の備蓄増加を止め、政府も購入を控え、市民も購入力を失ったことが、現在の金価格の一時的な下落につながっていると思います」
公開された資料によれば、2022年11月以降、中国人民銀行は金の貯蓄を増加させ続けています。しかし、中国の国家外貨管理局が6月7日に公表したデータによると、5月末の時点での人民銀行の金の貯蓄額は7280万オンスで、4月末と同じ水準を維持しています。これは、中共が18か月連続で金の貯蓄を増やした後、保有量を増やすのを初めて一時停止したことを意味します。
元上海証券アナリスト、張盛利氏
「(中国当局が)金を貯蓄する背後には様々な理由があり、それは戦争の準備かもしれないし、他の理由かもしれません。これは、中国の金融が直面する今後の困難に対応するための措置である可能性があります」
中国の金市場の変動は、最近米国が発表した強い非農業部門の雇用統計と関連していると見られています。米国経済の好調なデータを受けて、米連邦準備制度は利下げを見送る可能性が高く、これがドルの強さを維持し、他の通貨を持つ者にとってドル建ての金の価格を割高に感じさせており、その事が金需要の減少を呼び、金価格の下落につながっています。
謝田氏
「ただ、価格の下落幅はそれほど大きくなるとは思いません。価格が大きく下がれば、人々は金を密輸して海外で売り、その差額を稼ぐでしょう」
経済学者によると、中国の金価格の下落は短期的なものであり、今後の金価格の動きについてはさらなる観察が必要だと分析されています。
NTD Japanがお伝えしました。