中華民国総統の頼清徳氏が米タイム誌の表紙に登場しました。特集インタビューでは、台湾問題から半導体産業に至るまで、合わせて18のトピックが取り上げられています。記事では、世界で最も自由な中国語圏とされるこの地を守る頼氏の決断が、世界的な影響を与える可能性があると述べています。
「台湾の試練」と題された目を引くタイトルの下に、中華民国の総統である頼清徳氏が『タイム』誌の表紙を飾りました。そのタイトルの下では「北京が緊張をエスカレートさせる中、新しい総統頼清徳は、台湾島で自らの立場をしっかりと守っている」と記されています。
総統府は公式サイトで専門のインタビュー全文を公開し、台湾と中国の関係、半導体、国内政治など18の質問と回答を掲載しました。
頼清徳総統は、中国の経済が下降し、社会に混乱が起こることを望んではいないと言及し、中国共産党(中共)の政策が中国の投資環境を以前よりも悪化させたと述べています。
同氏は、蔡前総統が任期を開始した際、台湾株式市場は8千点余りでしたが、現在は2万点を超えています。そのため、台湾は中国経済の悪化の影響を受けていないと言えますと述べました。頼清徳氏はサービス貿易協定の交渉再開に反対しており、多数の台湾企業家が中国大陸を去っていることから、台湾の未来の経済構造は、中国の現在の経済構造と大きく異なると指摘しています。600万台湾ドルで中国から台湾へ移り、店舗を開業することが可能ですが、これが台湾の一般市民の経済に大きな影響を与える可能性があると述べました。
頼清徳氏は、台湾が半導体業界でリードしていることを強調しつつ、世界の繁栄を促進するという台湾の責任にも言及しました。また、企業の世界的な展開を尊重することの重要性を語りました。
中共による台湾への侵攻問題に関しては、頼清徳氏は、台湾の人々と政治界はこの問題に共に取り組むべきであり、団結と国際社会との連携を通じてのみ、台湾の安全を守ることができると述べました。
頼清徳氏:
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しません」
頼清徳氏が5月20日に行った就任演説は、中共の公式メディアによって挑発行為とされましたが、頼氏は「自らの発言が真実であり、台湾と中国は互いに属しません。これは、蔡英文前総統や馬英九前総統も過去に言及していることです」と述べました。
この件に関して馬前総統側は同日に声明を出し、「二国間は互いに隷属関係にない」と「両岸は互いに属さない」とは異なる概念だと指摘しました。