中国就職難で高学歴の帰国子女が田舎の公務員に

中国の経済が大きく揺れる中、企業の倒産や失業率の上昇が深刻化し、高学歴ながらも低い職に就く若者が増えています。先日、スタンフォード大学で博士号を取得した蘇さんが安徽省の町村で公務員になることが決まり、社会的な議論を呼んでいます。

安徽省宿州市の公務員局が最近、2024年度の公務員採用候補者の最終合格者を発表しました

公示された名簿には、米スタンフォード大学で博士号を取得した蘇さんの名前があり、彼が申し込んだのは宿州市霊璧県の役所での基礎的な事務管理の職でした。

同局は6月に2回に分けて、合わせて434人の合格者の名前を公表しました。名簿に記載された唯一の博士である蘇さんは、中国科学技術大学の物理学部を卒業後、スタンフォード大学で応用物理学を専攻し、X線結晶学について研究を行っていました。

この話題は中国最大の検索エンジン・百度でトレンド入りして、大きな議論を呼んでいます。

ネットユーザーからは「もったいない」「こんなに競争が激しいの?」「就職が本当に大変だ」などのコメントが寄せられています。

近年、中国経済の減速と失業率の上昇により、市場の競争が厳しくなっています。例えば、日本の東京大学の大学院卒業生が安徽省で公務員になるケースや、香港中文大学の大学院卒業生が広州市で遺体の火葬作業員になるケースがありました。また、8千人の大学生が寧夏回族自治区の炭鉱での募集人数600人の職を争った事例もあります。

豪州学者の李元華氏
「高学歴でありながら低い職に就く現象は、中国の就職環境が厳しい現状を物語っています。多くの人にとって、仕事を得ること自体が難しいため、どんな仕事でも受け入れる傾向があります。その結果、中国や海外の名門大学を卒業した人たちが、本来の能力にそぐわない低い職に就くことが増えています

中国本土在住の騰さん
「親が何年も前に子供を数十万元(数百万円以上)かけて留学させました。帰国後、一部は公務員になったり、国営企業に就職したりして、専門とは全く関係ない仕事をしています。これは今、よく見られる現象です。このような状況の中で、みんながより安定した職場を求めて競争しているのです」

中国本土での就職が難しく、生活も厳しいため、人々が海外へ流出する傾向があります。最近ネットで拡散された動画では、中国人がロシアで傭兵として働く姿が映されており、彼は戦場に留まることを選び、故郷には戻りたくないと語っています。彼は帰国すると食べるものに困ることを心配しています。

中国出身のロシア傭兵
「彼らは私を「シュトルム・ゼット」と呼ばれる最も危険な部隊に送り込むつもりです。私が帰ったら、あなたは私に食事を提供できますか?もう誰も、私を説得しようとしないでください。帰国しても食べるものがないのです、分かりますか」

李元華氏
「彼は戦争の過程で自分が生命の危険にさらされる可能性があるとは思っていなかったかもしれません。しかし、これは中国社会において、実力だけで良い生活を送ることが非常に困難であることを反映しています。特に社会の最下層にいる人々にとっては尚更です」

 

 
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