経済指標の中でも、社会消費財小売総額(個人消費全体の指標)は、市民の消費水準を測る上での重要な指標です。最近、中国の主要都市である北京、上海、広州、深センの消費データが急激に落ち込み、特に上海の社会消費財小売総額は前年比で9.4%の大幅な減少を見せました。経済学者は、就職難と収入の見通し悪化が、市民を緊縮生活に追い込む主要な要因であると指摘しています。
中国の証券会社である天風証券が最近発表した研究報告によると、北京や上海、広州、深センの主要都市における社会消費財小売総額の伸びが、今年6月に異常な急落を記録しました。具体的には、上海の小売伸び率は前年同月比でマイナス9.4%、前月比では11ポイントの減少を見せました。北京では前年同月比でマイナス6.3%、前月比で12.8ポイント減少。広州もマイナス9.3%で、前月比で10.2ポイントの減少です。深センでは前年同月比でマイナス2.2%、前月比で3.2ポイントの減少が見られました。
匿名のマクロ経済専門家は中国メディアに対し、消費の伸び率が低下傾向にあり、マイナス成長に転じていることは、市民の消費を減らす方向に経済が動いていることを示していると指摘しました。政策立案者は迅速に対策を講じ、この傾向を修正すべきであり、「節約を強いられる」生活が常態化することを防がなければならないと述べました。
経済観察網によれば、都市部の消費の弱さの背景には、収入の増加ペースの鈍化が大きな要因として挙げられています。また、就職難が人々の消費行動を抑制し、消費の質の低下を招いていると指摘されています。過去1年間で、北京の消費者信頼感指数の構成要素の中で、雇用状況の満足度指数と雇用状況の見通しの低下が最も著しかったです。
この数年間、主要都市の消費データの変動は、ほとんどがコロナの影響に左右されていたことがわかります。コロナが収束したにもかかわらず、消費の伸び率の変動が大きくなっており、この傾向が経済成長への不安を引き起こし、消費者の信頼感に影響を与えていると見られます。