中国で50以上の銀行が解散、数千の支店が閉鎖

今年に入り、中国では50以上の銀行解散(自発的に事業活動を終了)し、約1500の支店が閉鎖されました。経済学者は、中国の金融危機が進行中であり、将来的にさらに多くの銀行が倒産する可能性があると分析しています。

中国共産党(中共)の金融監督管理局が発表した最新のデータによると、今年に入ってから少なくとも50の中小銀行が解散し、その多くは農村地域の銀行でした。

また、中小銀行の合併や再編も加速しており、例えば遼寧省では農村商業銀行が36の農村中小銀行を吸収合併し、瀋陽市の農商銀行は30の農村信用協同組合と合併しました。

専門家は、中国経済の深刻な衰退を背景に、銀行の倒産や閉鎖、合併・再編が大きな流れとなっていると指摘しています。

米国サウスカロライナ大学エイキン校、謝田教授
「これほど多くの銀行が同時に事業活動を終了するのは非常に深刻な事態です。中国経済全体の深刻な衰退や、実体経済の資金調達と金融活動の減少が原因であり、これが銀行の利益減少、不良債権の増加、資金の流れの異常、資金不足、そして大幅な損失につながっています」

さらに専門家は、今後さらに多くの中小銀行が倒産や閉鎖に追い込まれる可能性があると予測しています。

謝田氏
「中国の経済発展を促進してきた従来の三つのエンジンあるいは現在のいわゆる『新質生産力』による経済促進も、経済を効果的に刺激するのは難しいように見えます。そのため、中国経済の衰退は、しばらく続く可能性があり、より多くの銀行が同様の倒産リスクに直面するかもしれません」

中共金融監督管理局の不完全な統計によれば、7月25日までに約1500の銀行支店が閉鎖され、その中には国有大手銀行、都市商業銀行、農村商業銀行も含まれています。

2022年には、中国商業銀行の支店が2383店舗、2023年には2756店舗が営業を終了しました。

分析によると、銀行の閉鎖の波は通常、金融危機の前兆とされています。

台湾の経済学者、黄世聡
「銀行が機能しなくなることは、その国の経済に深刻な問題があることを意味しています。銀行業の不況、不動産市場の低迷、企業向け融資の減少、民間消費の低迷が含まれています。欧米や台湾では、銀行を倒産させてから合併させることで迅速に問題を解決していますが、中共の戦略は事態の推移を待つことであり、そのため将来的にはさらに多くの中国の銀行が倒産する可能性があります」と述べています。

 
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