中国各所で洪水被害、当局は情報隠匿

最近、中国の複数地域で相次いでひょうや洪水が発生し、住宅が浸水し、農地が破壊され、多数の死傷者が出ています。しかし、当局はこれらの事実を隠し、被害状況などについて言及を避けています。遼寧省では、大雨が続き、ダムの放水が原因で橋が崩し、村が冠水しました。村民たちは屋根の上に避難して救助を待つ事態となりました。

最近、遼寧省では激しい雨が続き、複数のダムが相次ぎ放水を開始しました。葫蘆島市建昌県の5か所の町村が20日に洪水で冠水し、現在通信が途絶えています。

建昌県の村民、王さん
「ダムからの放水はまるで大津波のようでした。水に浸かったものはそのまま、流されるものは流され、私たちにはもはや帰る家がありません。ダムは個人が管理しており、魚への被害を懸念して放水しなかったが、水位が上昇してきて、しかたなく放水が始まったのです」

建昌県の村民、華さん
「楊樹湾の状況は悲惨で、目を背けたくなるほどです。家屋はすべて失われ、飼料やトウモロコシも水浸しで、収穫は望めません。家の中は泥だらけで、牛舎も流され、牛が逃げ出してしまいました。被害は大きく、救援が急務ですが、物資は届かず、水も電気もなく、食事や宿泊場所もありません。本当にひどい状況です。当局から人的被害に関する発表はありません」

大凌河の上流にある白石ダムの放流量が一時、毎秒500立方メートルに達し、小凌河の上流に位置する元宝山ダムの放流量も毎秒1000立方メートルに達しました。その結果、下流の多くの地域が広範囲にわたって冠水しました。

建昌県の郭さん
「村中が水浸しで泥だらけです。大きな川の堤防は決壊し、庭の壁や門も流され、家の中まで水が侵入しました。流されてなくなった家がたくさんあり、何も残っていません。トウモロコシ畑は完全に浸水し、水に浸かった状態です。今日は予定より早く収穫を行っていますが、今やらなければトウモロコシが芽を出してしまうでしょう」

朝陽市の市民、楊さん
「水道と電気が止まり、連絡が取れなくなっています。多くの村が洪水で流され、村全体が水に飲み込まれました。家が倒れ、屋根が崩れ、多くの村人が流されましたが、公式報道はありません」

朝陽市の下流に位置する大凌河白石、錦陵ダム、女兒河の烏金塘ダムが同時に洪水を放流し、錦州市は緊急事態を宣言しました。21日から道路が封鎖され、在宅勤務が行われています。

今回の豪雨により、鞍山、撫順、営口、丹東の各地域も甚大な被害を受け、多数の列車が運休となりました。

さらに、台風10号「サンサン」が発生し、予報では中国大陸の東南沿海部に大雨や豪雨がもたらされる見込みです。

同時に、陝西省の銅川市や延安市などの地域では。非常に大きなひょうが降り、道路や庭が雪のように白く覆われる光景が広がりました。農作物は甚大な被害を受け、住民たちは打撃を受けています。

被災住民
「ひょうで、ほとんどのリンゴが痛み、良質なリンゴがほとんど残っていません」

陝西省の住民
「同僚の家が明日トラックで売りに出す予定だった10エーカー分のリンゴが、今日のひょうで大打撃を受けました。被害は非常に深刻です」

新疆ウイグル自治区の温宿県で降るひょうに対し、最高レベルの「赤」に次ぐ「オレンジ」の気象警報が出されました。これから数日間、広西チワン族自治区や湖南省の一部地域では、局所的に激しい雨や雷を伴う嵐が予想されています。

広東省では再び強い雨が降り、90回以上の豪雨警報が相次ぎ発令されています。広州市内の増城区、白雲区、天河区、越秀区などでは雨量が多く、いくつかの道路が川のようになり、車や低地にある家が浸水しました。

列車は大幅に遅れ、飛行機も遅延し、観光地は閉鎖されました。排水設備が機能せず、電気自動車も止まり、商店も営業を停止し、市全体が大混乱に陥りました。

連日の激しい雨のため、梅州や惠州市を含む多くの村が水没し、農作物が数日間冠水し、農家は甚大な被害を受けました。

 
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