9日、米下院が再開会し、中国共産党(中共)に関連する複数の法案を相次ぎ可決しました。台湾侵攻の抑止を目的とした「台湾紛争抑止法」、中国製ドローンの規制を強化する「中国共産党ドローン対策法」および「バイオセキュア法案」などです。詳細を見ていきましょう。
米下院は9日、「台湾紛争抑止法」を全会一致で可決しました。
同法案は超党派の合意を得ており、中共が台湾への軍事攻撃をしようとする場合、米財務省が中共の高官の不正資産を公表することを義務付けています。対象者には、中共政治局常務委員や政治局委員、対台湾政策を担当する中央委員、さらに彼らの直系親族が含まれます。
米下院議員、フレンチ・ヒル氏
「中国の若者は17%の失業率に直面しており、中共の指導者は社会的なセーフティーネットを提供できていません。不動産価格の下落により多くの家庭が債務危機に陥っています。汚職官僚らは、どうやって政府を利用して利益を得ているか、中国の市民に説明する必要があります」
さらに、制裁対象となった高官やその親族の米国内にある資産は凍結され、米国の金融サービスシステムを利用できなくなります。
米下院議員、ブラッド・シャーマン氏
「中国(中共)は台湾の人々への脅迫をやめるべきです。米国の対応は軍事的だけでなく、様々な経済措置や経済面での個人情報を公開することを伴うものであると認識すべきです」
また、下院で「中国共産党ドローン対策法」も可決され、中国ドローン大手DJIが製造したドローンの米国内での使用を禁止するとしています。
米下院議員、アシュリー・ヘインズ・スミス氏
「DJIは中国に本社を置き、中共とのつながりが確認されている上、米国の国家安全保障にリスクをもたらしています。中国(中共)の2017年『国家情報法』に基づき、これらの企業は中共の国家情報活動に支援および協力することが義務付けられています。このことはどのような形であれ、米国民を危険にさらす可能性があります」
今回の法案により、DJIの将来の製品は米国の通信インフラでの運用が禁止される見通しです。 また、9日には「外国敵対勢力のバッテリー依存から脱却する法」も承認され、国土安全保障省が中国の車載電池最大手・寧徳時代(CATL)を含む中国企業6社が製造する電池の購入を禁止しました。
さらに、3分の2以上の賛成を上回る306対81で「バイオセキュア法案」が下院で可決されました。
中共が生物兵器を製造し、世界中から収集した生物学的データを利用したりする恐れがある中、この法案は米国の国家安全保障上の懸念を理由に、一部の中国バイオテクノロジー企業と米国にある子会社をブラックリストに加えるとしています。