中共中央銀行が経済刺激策を発表 専門家:効果は限定的

9月24日、中国共産党(中共)中央銀行(中国人民銀行)は預金準備率の引き下げや利下げを含む一連の経済刺激策を発表しました。しかし、専門家はこれらの措置が単に手詰まりの状態に過ぎないと見ています。

中国人民銀行の総裁である潘功勝氏は同日の記者会見で、刺激策の一環として、預金準備率を0.5ポイント引き下げることや、金融市場に約1兆元(約20兆4153億円)の長期流動性を供給するなどの計画を示しました。

これらの対策は、パンデミック後、最大規模の刺激策とされていますが、経済専門家は楽観視していません。

米サウスカロライナ大学エイキン校 謝田教授
「これらの措置は力不足であり、利下げの幅も人々の信頼を回復するには不十分かもしれません」

ワシントン 情報戦略研究所の経済学者 李恒青氏
「中国が直面している問題は深層的な構造的問題であり、経済モデルは市場経済ではなく、計画経済が主導するモデルです」

中共統計局が9月14日に発表したデータによると、8月の工業生産、小売額、そして不動産価格が急速に下落しています。特に8月の新築住宅価格は前年同月比で5.3%の減少となり、2015年5月以来最大の下落幅となりました。

潘功勝氏は24日に、既存の住宅ローン金利を平均0.5ポイント引き下げると述べ、さらに住宅ローンの最低自己資金比率を統一し、全国的に二戸目の住宅ローンの最低頭金割合を15%に引き下げると発表しました。ただし、具体的な施行時期については明らかにしませんでした。

24日には不動産株と銀行株が一時的に回復しましたが、専門家はこれらの政策が非現実的であり、株式市場の回復は一時的なものに過ぎないと考えています。

李恒青氏
「経済が大幅に悪化し、若者は失業や低収入に苦しんでいます。このような状況で彼らにお金を出させ家を買わせるのは現実的ではありません」

専門家の分析によれば、中共が導入したこれらの措置が不動産市場を救うどころか、銀行の不良債権リスクを高める可能性があると警鐘を鳴らしています。

李恒青氏
「銀行の運営余地がさらに圧迫され、負担が増すことで、今後の担保融資の余地が非常に限られ、銀行の不良債権が急増するリスクが高まるでしょう」

謝田氏
「中共は金融危機を回避しようとしていますが、どうやら彼らは無力なようです。中国は徐々に不動産バブルの崩壊を中心とした経済危機に向かっています」

 
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