米カナダ軍艦が台湾海峡を通過 G7国防相が台海情勢を注視

中国共産党(中共)軍が最近、台湾を取り囲む形で軍事演習を実施し、国際社会から強い反発を引き起こしました。10月20日、米国とカナダの軍艦が共同で台湾海峡を通過し、同日、G7会議では台湾海峡の平和と安定の重要性が再確認されました。G7国防相は、東シナ海と南シナ海での中共軍の行動に深い懸念を表明し、武力による現状変更に反対する姿勢を示しました。

10月20日、米国のミサイル駆逐艦「ヒギンズ」とカナダのフリゲート艦「バンクーバー」が定例の台湾海峡通過を行いました。

米海軍第七艦隊は声明で、2隻の軍艦が台湾海峡を通過したのは、米国とカナダがすべての国の航行の自由を守る姿勢を示したものだと述べ台湾海峡における国際社会の航行権と自由は制限されるべきではないと強調しています。

アジア太平洋菁英交流協会の事務局長 王智盛氏
「このように明確な航行の自由という立場は、今後G7関連国が台湾海峡を通過することで、さらに強調される可能性があると思います。今年は実際に、ドイツやフランス、英国などの軍艦も次々と台湾海峡を通過しました。これは、北京に対してこれまで以上に強い圧力をかけることになるでしょう」

前日、イタリアで初めて開催されたG7の「国防」をテーマとする会議では、中共による大規模な台湾包囲軍演習への懸念が示されました。会議では、台湾海峡の平和と安定を維持することが国際的な安全と繁栄に不可欠であることが再確認されました。

王智盛氏
「中国(中共)による台湾への軍事演習や武力による脅威は、単なる台湾海峡の問題ではなく、G7全体、さらには世界の平和と安定に影響を及ぼす根本的な問題と認識されるようになったようです。G7は、航行の自由を守るため、中共が主張する台湾海峡の内海化に対して引き続き圧力をかけ、国際秩序や国際法のルールを一方的に破壊しようとする中国(中共)の行動を阻止しようとしています」

G7の声明では、東シナ海および南シナ海の情勢に対する深い懸念が表明されました。中共による度重なる航行の自由の妨害に強く反対するとともに、海洋や空域において、武力や脅迫によって一方的に現状を変えようとするいかなる試みも強く非難しています。

軍事チャンネル「マーク時空」司会者のマーク氏
「東アジア地域の物流は、世界経済において非常に重要な役割を果たしています。ですから、G7が台湾海峡や南シナ海での航行の自由を支持するという姿勢を示すことは、実際に非常に重要であり、国際経済の秩序ある発展を保障するための姿勢だと思います。これは中共への圧力でもあると言えるでしょう」

米国国防長官オースティン氏と日本の新防衛大臣である中谷元氏が、初めて会談を行いました。両者は日米協力の強化を確認し、台湾海峡の平和と安定の重要性について一致しました。

台湾国際戦略学会理事長の王崑義教授
「日米の同盟強化には十分な抑止効果があります。これは、第二次世界大戦以降、米国が東アジア地域における第一列島線で構築してきた戦略的な封じ込めの一環だからです。現状、中共はこの第一列島線の封鎖を突破する手段をまだ持っていないと言えます」

さらに、米メディアによると、米軍は最近、第二次世界大戦時の旧空港の改修を加速させています。今年8月、米国は2800万ドル(約42億2431万円)を投じて、ノースカロライナ州のキャンプ・デービス空港の大規模修繕を行いました。また、米空軍はマリアナ諸島のテニアン国際空港の再稼働も開始しており、この空港は日本から約1500マイル(約2414キロ)未満の距離に位置しています。

マーク氏
「非常に重要な点として、中共の軍事拡張と急速な軍事発展に対抗するために、米国も戦略的な調整を進めています。その中には、基地の分散化が含まれています。また、小さな隠れた島々から攻撃を発動する能力を強化することも、その戦略の一環であり、これは米国の包括的な戦略の具体化です」

6月には、米海兵隊が太平洋中部のパラオの南端に位置するペリリュー島の簡易空港を再稼働させました。この空港は、第二次世界大戦中に日本軍が建設したものです。修復と整備の後、米軍はKC-130給油機の離着陸テストを実施しました。

マーク氏
「基地の建設に加え、米軍は弾薬庫の分散化も進めています。以前は大型の弾薬庫が少数の基地に集中していました。現在、東アジア地域に数十か所の弾薬庫を設ける計画です。これにより、武器や弾薬を可能な限り分散させることができます。米国はこの分野で多くの計画を進めています」

米メディアは、米軍のこの動きが「将来の新たな太平洋戦争に備えるため」であると指摘しています。

 
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