米国防総省の最新報告によると、中国共産党(中共)は核兵器庫の拡充を急速に進めています。しかし、分析によれば、現時点で中共は米国との軍事対抗能力をまだ備えていないとされています。
報告書「Nuclear Challenges (2024)」は 米国国防情報局が作成したものです。報告によると中共は「陸・海・空」の核兵器庫計画を急速に拡充しており、約300基の発射サイロを持つ核兵器庫を構築しています。また、公道を移動するタイプの大陸間弾道ミサイル部隊や、空中発射弾道ミサイルを搭載できる爆撃機部隊の拡充も進めています。
さらに中共は、低出力核弾頭の能力を得ることを目指している可能性があり、高出力弾頭では対応できない場面での選択肢を補完する狙いがあるとされています。
一般に、低出力核兵器は敵の部隊や軍事施設を標的に使用するとされ、相手国の重要な都市を深刻に破壊する目的ではないと考えられています。
著名軍事ブロガー 周子定氏
「中共は過去10年間にわたり、自国の核兵器庫を拡充し続けてきました。特に弾道ミサイルの開発に注力しており、これは核抑止力を強化するためです。中共は、核抑止力が十分に強ければ、米国が台湾海峡の戦争に介入するのを阻止できると考えています」
報告によると、2018年の評価と比較して、中共の目標は2030年までに少なくとも1千発の核弾頭を保有することであり、その多くは米国本土を射程に収めるシステムに配備される見込みです。しかし、米国の核兵器庫は現在約3750発の核弾頭を保有しており、分析によれば、中共は軍事力の面で米国と対抗する能力を持っていないと見られています。
周子定氏
「中共は過去数十年にわたって、通常兵器も核兵器も発展させてきました。一部の兵器装備においては、ロシアを凌ぐレベルに達しているものもあります。しかし、それで戦争に勝てるかどうかは別の話です」
米国防当局者が先月メディアに明かしたところによると、中共が開発した最新の原子力攻撃潜水艦が、5月に重大な技術的問題を起こし、武漢の造船所のドックで沈没しました。
また、ブルームバーグは情報筋の話として、中共のロケット軍および国防産業全体に深刻な腐敗が存在し、ミサイルに燃料の代わりに水が充填されているケースもあると報じました。
分析によれば、中共は「党が銃を指揮する」体制であり、戦略や作戦の考え方が西側と全く異なります。また、戦場の情報管理やコミュニケーションには根本的な欠陥があり、中共の核開発は虚勢に過ぎないとされています。
台湾の国防大学政戦学院元院長・余宗基氏
「外部は中共の戦力に対して懐疑的な見方を持っています。いわゆる新型原子力潜水艦の開発は、多くの虚偽報告や誇張された戦力の宣伝に満ちています。実際には、部隊やシステムでの事故の割合がかなり高く、それらの事件を全力で隠蔽しているのです」
米国防総省は、中共軍の「核理論」が依然として未成熟であり、情報管理の不備や核危機に対する経験の欠如が、今後数年間における世界的な核リスクの増加につながる可能性があると警告しています。
台湾淡江大学外交学科副教授・鄭欽模氏
「中共は『悪の枢軸』のリーダーであり、正式に軍事衝突を引き起こしてはいないものの、台湾海峡での威嚇やテロリズムへの支持を含め、現行の国際秩序に対する明確な挑戦を行っています」