トランプ氏の最後の追い上げに夫人と末っ子も出陣

10月27日、米国前大統領の夫人であるメラニア・トランプ氏がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催された選挙集会に、珍しく姿を現し、今回の選挙戦で初めての演説を行いました。彼女の登場は、トランプ陣営が発表した予定パネリストには含まれておらず、集まったトランプ支持者にとって大きなサプライズとなりました。

当日の集会開始から約4時間後、億万長者のイーロン・マスク氏がメラニア・トランプ氏の到着を発表しました。選挙活動でめったに姿を見せない彼女ですが、人気が大いに盛り上がった今回の集会で、5分足らずの短いスピーチを行いました。

スピーチで、メラニア氏はまずニューヨークを称賛し、「この大都市は、唯一無比の工業中心地であり、金融、ファッション、エンターテインメントの巨頭が集結している」と述べました。その後メラニア氏は、ここでの生活がいかに厳しいものであるかにも触れ、「残念ながら現在では、生活の質が低下し、経済の不安定さが重なり、企業や米国の創造力が米国国民の間で花開くことが難しくなっています。しかし、これらの国民は意志が強く、街やオフィスを奔走しながら成功を目指して懸命に努力しています」と話しました。

彼女は最後に「共通のビジョンを持って、一緒に前進しましょう。このビジョンは、『アメリカ合衆国を再び偉大な国に』という基盤に築かれています。この瞬間を捉え、明日のために新たな国家を築きましょう。これが私たちの手に入れるべき未来です」と観客を励ましました。

演説の最後、メラニア氏は歓声をあげる群衆に向け、トランプ氏の登場を紹介しました。トランプ氏が壇上に上がるとメラニア氏と抱擁し、手を取って「美しい妻が加わってくれてうれしい」と観客に語りかけました。また、18歳の息子バロン氏も自宅で集会の様子を見ていると明かし、彼を「インターネットの王」と称えました。

「ニューヨーク・ポスト」によると、バロン氏は今回の選挙戦で重要な役割を果たしており、若い有権者の支持を得るために父親にポッドキャスト出演を勧めたとのことです。さらに、彼の提案はどれも非常に高い視聴率を記録しました。トランプ氏は「この若者に敬意を表したい。彼の推薦はどれも絶対的な視聴率を叩き出し、インターネットを驚かせた」と息子を称えました。

先日、トランプ氏はジョー・ローガン氏のポッドキャスト番組に出演し、そのインタビューがYouTubeで公開されてからわずか1日半で3200万回を超える再生回数を記録しました。このエピソードは、今回の大統領選挙中でポッドキャスト視聴数が最も高い回となり、ローガン氏の番組史上でもトップクラスの視聴数を誇るエピソードの一つとなっています。

調査会社YouGovによる昨年の調査で、ジョー・ローガン氏のリスナーのうち81%が男性で、56%が35歳以下であることが明らかになりました。

トランプ氏は、ポッドキャスト戦略以外にも、現在ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネス の1年生である息子バロン氏が、より広範な分野でトランプ陣営にアドバイスを提供していると明かしました。バロン氏は時々トランプ氏に対し、「父さん、これはやるべきことだよ」と助言することもあるそうです。

 
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