中国本土の人々が米大統領選に注目 新大統領に対中圧力強化を期待

2024年米大統領選が世界中で注目を集める中、中国本土でも関心が高まっており、関連トピックの閲覧数は百億回を超えています。多くの中国の人々が、次期米大統領に中国の自由と民主化を促進し、さらに中国共産党(中共)への対抗措置の強化を期待しています。

米国東部時間11月5日、米国大統領選挙の投票が正式に開始され、新たな米国の大統領と副大統領が選出されました。

当日、中国では、米国大統領選挙への関心が急速に高まりを見せました。

ウェイボーでは『米国大統領選挙』がトレンド入りし、閲覧数は158億5千万回、関連する議論の数は408万7千件に上りました。

また、ウィーチャットでも複数の公式アカウントが選挙に関連する最新情報や解説記事を発信しました。

投稿内容を見ると、中国本土のネットユーザーの間では、トランプ氏を支持する意見もあれば、カマラ・ハリス氏を支持する声も上がっていることが分かります。

上海市民の張さん
「国内では民主を支持する層が2つに分かれています。一方はトランプを支持し、もう一方はカマラ・ハリスを支持しています。トランプがウクライナを支持せず、ロシアを支持していると聞いて、これに反対する人が多いんです」

中国著名反体制活動家 陳思明氏
「新たに就任する大統領には、中国の自由と民主を促進し、現職の大統領よりも反共の姿勢を強めてほしいと期待しています。私が注目しているのはこの一点です。もし反共の力が弱ければ失望します」

一方で、中共は米大統領選挙を利用して、米国を貶めるための世論誘導を行っています。4日夜、中央テレビ(CCTV)は公式ウェイボーで「米国大統領選挙:5代の大統領が大乱闘」というニュースを配信し、これが検索ワードでトップに浮上しました。この投稿には、中国国内の愛国主義者たちから米国への嘲笑や批判が殺到しています。

陳思明氏
「中共は世論を操作しようとしています。今回は、ハリスとトランプのどちらがより反共的かを見極めて、トランプが反共的であるならば、ハリスの当選を望むでしょう。これは米国の民主選挙を妨害しようとしているのです。中共は世論操作のために偽の情報やニュースを流しているのです」

しかし、たとえ党メディアが意図的に情報を混乱させようとしても、中国本土の人々は依然として米国の民主制度を羨望しています。

張さん
「中国に民主なんてないですよ。習近平が憲法を改正して終身任期にしたのに、反対票が一つもなく全て通過しました。これが何を代表するというのでしょうか? 私たち一般市民はみんな反対しています」

中国の著名な反体制活動家である陳思明氏は、中国の選挙と米国の大統領選挙は全く比較できないと指摘します。

陳思明氏

「一方は自由と民主による選挙で、もう一方は独裁専制の裏工作です。私はそれを比べる意味はないと思います。完全に異なる二つの事象です。1980年から、ずっと米国の大統領選に注目してきました。毎回、全力で関心を注いでいます」

陳思明氏は、トランプ氏が前政権時に中共に対して開始した貿易戦争などの一連の行動に賛同していると述べています。彼は、トランプ氏の行動が米国社会における中共の見方を一変させたと評価しています。

陳思明氏
「トランプが貿易戦争を始めた後、米国社会全体が中共の邪悪な本質を再認識しました。特に新型コロナウイルスの後、中共の悪質な行動によって、その本質が米国民の前に露わになりました。現在、良い傾向として、共和党も民主党も反共という点では高い一致を見せています」

バイデン政権はトランプ氏の対中強硬政策を引き継いではいるものの、中共を「競争相手」と位置づけています。これについて、陳思明氏はあまり同意していません。

陳思明氏
「中共と米国は言わば天敵同士です。どこが競争相手だというのでしょうか? それどころか、中共は米国の民主主義制度に対する敵であり、本来は民主主義と独裁の闘争という観点から米中関係を見るべきです。民主主義と独裁は絶対に相容れない存在であり、どうして競争のパートナーや対等の相手として見ることができるのでしょうか?」

北京の学者・劉四新氏もまた、新たに就任する米大統領が中共への対抗姿勢を継続することを望んでいます。

北京の学者 劉四新氏
「中共の経済活動は、中国の民間企業や下層民衆に害を及ぼすだけでなく、欧米主導の自由市場経済や世界経済秩序全体に対しても大きな脅威となっています。ですから、新しい大統領が経済的に中共にさらなる圧力をかけ、中共が世界経済秩序を遵守するよう促すことを期待しています」

また、劉氏は外交においても同様に、中共に対して強硬な政策を取るべきだと主張します。

劉四新氏
「米国の新大統領は、外交面でも中共に対して一切の妥協を許さない強硬な姿勢を取るべきです。中共の『戦狼外交』をこれ以上容認すべきではなく、断固として抑え込むべきです。中共に対し、私たち欧米の国々は決して中国・ロシア・北朝鮮といった『邪悪な枢軸』が世界に害をなすことを許さない、という明確なメッセージを発信する必要があります」

バイデン氏は演説で、現在の国際政治は、欧米の民主主義世界と中国・ロシア・北朝鮮といった共産主義の独裁国家および専制国家との対立、すなわち民主主義対専制主義の対決だと述べたことがあります。

 
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