背景は? 学生の夜間サイクリング禁止 河南の大学が封鎖措置

河南省鄭州市では数十万人の大学生が夜間に50キロ離れた開封市へとサイクリングを行い、これが全国の大学生に広がりました。当局はこれに対して警戒を強め、多くの大学が緊急に校門を封鎖し、学生の外出を禁止しました。さらに、既に道に出ていた大学生の中には、シェア自転車がロックされたことで「夜間ランニングで開封へ行く」と切り替える学生も現れました。

鄭州の大学生
頑張れ、頑張れ、頑張れ······」

11月8日の夜、鄭州市では数十万人の学生がシェア自転車に乗って50キロ離れた開封市へと向かい、このことが当局にパニックを引き起こしました。当局は多数の警官を動員し、大学生たちを追い払ったり、進路を妨げたりしました。

中国本土の配信者
「夜のサイクリングで開封へ行けない学生たちが、今度は夜のランニングで開封へ向かい始めた」

11月10日、河南省鄭州市当局は各所の交差点に大量の警官を配備し、シェア自転車で移動する若者を阻止しました。

鄭州市の女子学生
「どこもかしこも交通警察だらけ。全部、交通警察」

河南省市民の李さんは10日、新唐人の取材に対して、当局が通知を出し、シェア自転車が鄭州市外へ走行するのを禁止していると語りました。

河南省の市民 李さん
「市外を越えて3分以上走ると自転車がロックされて動かなくなります。もう自転車には乗らず、今は歩いて行くように変わりました。多くの人が歩いて開封に向かっています。ほとんどが学生です、自由を求めているんです」

映像では、多くの若者たちが集団でリュックを背負い、歩いたり走ったりしながら開封に向かっている様子が見られます。中には旗を掲げ、掛け声を上げながら進む若者たちもいます。

鄭州の男子学生
「頑張れ、頑張れ、頑張れ」

李さん
「若者たちは青春のエネルギーにあふれていて、とてもいいことです。自転車で体を鍛えられるのも素晴らしいことじゃないですか。だから、どんどん多くの人が参加するようになったんです。でも、突然それを止めるなんて、人々の自由に干渉することになります」

8日夜から9日未明にかけて、河南省鄭州市で20万人のライダーたちが鄭州から開封へと続く鄭開大道を数十キロにわたって進み、開封を目指しました。

中共退役軍人
「河南で武装警察8年務めた、今夜は開封へナイトライドだ!」

「元陸軍だ、みんな今夜は開封へ行くぞ、出発だ!兄弟」

「空軍で8年だ、開封へナイトライドだ!」

「ロケット軍、開封ナイトライド、突撃!」

「陸軍8年、開封ナイトライド、突撃突撃!」

この大規模なライドには、社会のあらゆる階層の人々が参加しているとのことです。

李さん
「こちらでもたくさんの子供たちが行っていて、10歳くらいの子たちが小さな自転車に乗っていました。小さなグループもいて、それぞれ自分の自転車で参加していました。ローラースケートをしている人もいて、主に学生たちですが、ほかにもいろいろな人がいます。中年の方や自転車を持っている人たちもいて、この2日間大勢が開封に向かっていて、かなり賑やかです」

9日には、20万人以上の若者がシェア自転車に乗り、開封に集まりました。開封の大梁門には大量の自転車が放置されていました。

河南の住民
「これらの自転車が城門を完全に塞いでしまった」

映像には、多くの若者が旗を振りながら街頭で中共(中国共産党)国歌を合唱し、大量の警察が厳戒態勢を敷いている様子が映し出されています。

9日、鄭州市公安局は交通安全のため、中心部の複数の幹線道路で自転車の走行を禁止する通知を出しました。さらに、シェアサイクルサービスの美団などもエリアを跨いでの自転車の利用を禁止し、違反した場合は遠隔でロックをかけると発表しました。

情報によると、鄭州の複数の専門学校が学生に対し、期限内の帰校を求め、次々と校門を封鎖して外出禁止にし、自宅にいる学生には証明書の提出を指示しました。

また、全国各地の多くの大学生たちがこれに倣い、省や市を跨いだサイクリングを組織しているとの情報もあります。

分析では、表向きには大学生の「節約旅行」に見えますが、これは複雑な社会的および政治的問題が絡んでいるとされています。卒業後にすぐ失業する厳しい状況の中で、このような行動をとる「これらの中共に深く洗脳された若者たちが、今後どのような行動に出るのか予測が難しいとの見解です。

豪州在住の歴史学者 李元華氏
「もし数十万人が街頭に出て、その時に人々の心に響くような政治的スローガンが掲げられ、不満を代弁する声が広がれば、学生だけでなく他の市民も加わり、当局の手に負えなくなる可能性が十分にあります。だからこそ、当局は現在非常に怖がっています」

専門家は、中共は若者の集会が再び「白紙運動」のような抗議活動に発展し、中共に対する批判運動に変わることを非常に恐れていると指摘しています。

李元華氏
「もともとは大学生による娯楽的な活動に過ぎなかったのですが、今やさまざまな職業の人々が参加することで、すぐに政治的な動きに変わってしまうかもしれません。これは中共が制御できるものではありません。さらに、中共の経済は下落し、人々の不満は高まっており、各地で不満を抱えている人が大勢います。みんなが集まって、もし誰かが一声かければ、活動の性質が一変するので、彼らはそれを恐れているのです」

「夜間サイクリングで開封へ」は今年6月に始まり、4人の女子学生が開封へサイクリングで出かけて名物のスープ入り小籠包を食べたことがきっかけで皆が真似し始めました。これを見た開封市政府はビジネスチャンスを見出し、複数の観光地を大学生に無料開放すると発表し、さらに多くの若者が参加するようになりました。

 
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