F-35を日本に増派、インド太平洋での軍事力強化

中国共産党(中共)が台湾海峡南シナ海での軍事的挑発をエスカレートさせる中、米国防総省は100億ドルを拠出して在日米軍の装備をアップグレードし、インド太平洋地域の平和と安定を維持するための抑止力を強化すると発表しました。この計画では、第五世代の最新鋭のステルス戦闘機F-35」 が日本の複数の軍事基地に順次配備される予定です。

(最新鋭はF-35ライトニングIIで以下を読むとF-35A,B,CとF-15EXだけ)

7月15日、米海軍はF-35C戦闘機の中隊を岩国航空基地に配備し、第5航空母艦打撃群に参加させると発表しました。

F-35Cは現在最も高度なステルス機能を持つ艦載戦闘機とされており、改修された核原子力空母「ジョージ・ワシントン」号は、年内に横須賀の海軍基地に配備される予定です。また、これらのF-35C戦闘機が艦隊に配属される見込みです。

さらに、F-35Cは空母「カール・ヴィンソン」号と「リンカーン」号にも配備され、インド太平洋地域で活動します。

米海軍はF-35Cが最も優れた戦闘機であるとし、これが空母の打撃能力と抑止力を増強すると説明しています。

台湾国防部系のシンクタンク「国防安全研究院国防戦略・資源研究所」の蘇紫雲所長は、今回の米軍の防衛力強化は第一列島線の防衛戦略を強化する一環であると述べています。

台湾国防安全研究院戦略資源部門所長、蘇紫雲氏
「米国全体の指針は戦略的な問題に基づいており、変わることはありません。これは、中共の軍事的挑発に対して、抑止する手法を意味しています。そのため、実際にこれらの第五世代の戦闘機を日本に配備することは、潜在的な脅威である中国への対応策です。台湾も自己防衛の取り組みを加速させ、自助努力こそが他者からの助けを得る唯一の方法であることを認識し、好循環を形成できるようにすべきです」

7月初め、米国防総省は今後、総額100億ドル(1兆6000億円)をかけて在日米軍の航空戦力を近代化する計画を発表しました。この計画には、青森県の三沢空軍基地や広島県の岩国海兵隊航空基地に最新鋭のF-35AおよびF-35B戦闘機を配備することが含まれています。(ステルスで北京を攻撃できる位置と言われている)

計画では、日本に常駐する米軍の戦闘機F-35Aが約84機に増加し、旧型のF-15、F-16、F-18は退役します。

台湾国防安全研究院の副研究員、舒孝煌氏
「三沢基地にある36機のF-16戦闘機を48機のF-35に入れ替えます。こうした変化は特筆すべきものだ。以前は2個中隊だったのが、現在では3個中隊になる可能性があります。第5世代戦闘機への置き換えとは別に、飛行隊の数も増やされた。つまり、この分野での戦闘力を強化しなければならないということです」

さらに、新型のF-15EX戦闘機36機が沖縄の嘉手納基地に配備され、旧型のF-15C/D戦闘機に取って代わります。F-22やF-35Aといったステルス機能を持つ戦闘機や、MQ-9「リーパー」、MQ-4C「トライトン」などの無人機も、順次配備される見通しです。

嘉手納基地は、台湾から約640キロ離れており、超音速の戦闘機なら45分から1時間で台湾に到着可能です。

台湾「国防安全研究院国防戦略・資源研究所」の副研究員、舒孝煌氏は、嘉手納基地の地理的位置を考慮すると、F-15EXという最新戦闘機を配備することの重要性を指摘しています。

舒孝煌氏
「15EXは4.75世代戦闘機で、戦闘システムが調整されたことを除けば、重火器を搭載できます。例えば、米軍が最近開発した長距離多目的ミサイルAIM174があります。ここから飛び立ち、長距離ミサイルを使って、中共の海軍に対して、敵のレーダー外からの攻撃を行う場合、この地域からの戦闘機の出撃は非常に重要な意味を持っています」

情報によると、中共の第5世代ステルス戦闘機「殲20(J-20)」は約300機が配備されており、毎年100機のペースで増加する見込みです。福建省の武夷山空軍基地でも主力戦闘機が殲-20に更新されています。

ただし、舒孝煌氏によれば、中共の殲-20戦闘機の性能は、米国の第5世代戦闘機と比べて圧倒的な差があるといいます。

F-35は高いステルス性と優れたネットワーク接続性によって、F-15EXやドローンと連携して共同攻撃を行うことが可能です。

舒孝煌氏
「現段階では、殲-20は、主に空中戦闘と迅速な迎撃を目的とした航空機と見られています。エンジンの交換や推力の増強、二式複座、有人機が無人機を操作する技術などがありますが、これらの技術は米国と比べるとまだ大きく劣っています。F-35は多目的に対応できる航空機で、空中戦だけでなく地上攻撃も可能です」

外国の軍事関連サイトが衛星画像を分析した結果、中共軍が新疆の砂漠地帯に米軍のF-22やF-35のステルス戦闘機を模した模擬基地を設置し、攻撃訓練を実施していることが明らかになりました。

香港メディアの報道によると、中共軍で対台湾作戦を担う東部戦区から約1000キロメートル離れた日本の嘉手納と岩国の航空基地が、中共の作戦計画に含まれているとされています。

専門家は、在日米軍基地の戦闘機アップグレードと日本の防衛予算増加が、朝鮮半島や台湾海峡、その他アジア太平洋地域で予期せぬ事態が発生した際に、迅速かつ柔軟な対応を可能にすると考えています。

 
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