経済的な理由で抗議が最も多い中国の10都市

海外の人権団体「フリーダムハウス」が2022年11月に設立した「異言網(China Dissent Monitor)」は、最近、2023年第2四半期の中国における抗議活動に関する研究報告を発表しました。この報告によると、経済的な理由で発生した抗議が最も多い中国の10都市のうち、6都市が広東省に位置しており、特に抗議活動が最も頻繁に行われている深セン市では、少なくとも306件の抗議事件が発生しました。

海外の人権団体「フリーダムハウス」が設立した「異言網」は最近、中国における民間の集会や抗議活動に関する分析報告を発表しました。経済的要因によって発生した抗議活動が最も多い中国の10都市として、深セン市、西安、三亜、東莞、鄭州、珠海、青島、中山、広州、そして恵州市が挙げられています。

深セン市が首位に立ち、過去2年間で少なくとも306件の抗議事件が発生し、次に多いのは西安市で233件でした。

米国在住の時事評論家 藍述氏
「広東省と江蘇省は中国のGDP(国内総生産)生産力が最も多い2つの省です。広東省での経済的権利を求める抗議の規模が非常に大きいことは、2つの側面の問題を反映しています。中国の輸出志向型経済が深刻な打撃を受けていること。次に、これは中国全体が現在、経済的な困難に直面していることを示しています」

報告では、広東省の6都市がランクインしている点について、評論家は広東省には多くの出稼ぎ労働者が集まっており、政府による行政規制が特に厳しいと考えています。

台湾の元国民大会代表・政治評論家 黄澎孝氏
「現在、仕事の機会がますます減少しています。特に多くの中国国内企業が事業を終了する際、中国の労働関連規定に従わず、労働者に対する適切な補償を行っていないケースが多くあります。さらには一部の企業では賃金すら未払いのままです。このような状況下で、労働者たちは当然不満を感じ、さまざまな抗議行動を起こします」

「異言網」の報告によると、2024年6月13日、深セン市宝安区新安街道にある中糧集団の労働者はストライキを起こし、会社が工場を中山に移転する際に労働者への補償を拒否したことに抗議しました。

黄澎孝氏
「中国では賃金の未払いが非常に深刻かつ広範な問題です。言い換えれば、資金繰りが断たれ、事業が失敗した場合、経営者はほとんど何も残さないことが多いです。そのため、一部には賃金未払いがやむを得ない場合もあれば、悪質な場合もあり、これが労働者の不満を引き起こす主な要因の一つです」

さらに、「フリーダムハウス」は2年前に、中国の集会や抗議活動を系統的に収集、整理、分析する研究プロジェクトを開始しました。このプロジェクトでは、中国国内の500の地級市での抗議活動のサンプルを収集し、抗議の方法、特徴、原因など多面的に調査を行い、定期的に海外の「異言網」で発表しています。しかし、言論を厳しく統制しているため、多くの情報は外に漏れず、外部ではその実情を知ることが難しい状況です。

藍述氏
「多くの抗議活動は、一定の規模に達しない限り報道されないため、この数字は実際に発生している抗議活動の数よりもはるかに少ないはずです」

黄澎孝氏
「中国では情報の流通を非常に厳しく管理しており、多くの情報が地域間で効果的に連携することができず、統計も取れない状況です」

評論では、抗議を行う人々が賃金の未払いであれ、居住問題であれ、これらは彼らの経済的利益や生活の安全に直接影響を与えているため、抗争せざるを得ないと指摘しています。

黄澎孝氏
「これらの状況は、現在中国が直面しているいくつかの経済問題が隠蔽できないことを示しています。多くの中国の労働者やサラリーマンにとって、これは不幸な現象です。これは単なる一時的または個別の現象ではなく、全体的かつ長期的な問題かもしれません」

評論では、もし広東省の状況がこれほど深刻であれば、他の省の状況も同様に悪いだろうと指摘しています。

 
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