米国の次期大統領トランプ氏は、11月12日に内閣人事をいくつか発表し、CIAの長官などの任命を行いました。また、一部のメディアの報道では、トランプ氏が上院で長年の経験を持つ議員マルコ・ルビオ氏を国務長官に指名したと伝えられています。評論家は、タカ派のルビオ氏が国務長官を務める場合、今後4年間の米国外交の重点は明確に中国共産党(中共)への対抗となるだろうとしています。
11月12日、次期大統領に選出されたトランプ氏は、元国家情報長官ジョン・ラトクリフ氏をCIAの長官に指名すると発表しました。ラトクリフ氏はトランプ氏の最初の任期の最後の1年半に国家情報長官を務めていました。
トランプ氏は、元アーカンソー州知事マイク・ハッカビー氏を駐イスラエル大使に指名しました。ハッカビー氏はイスラエルの強固な擁護者として知られています。また、彼の娘であるサラ・ハッカビー・サンダース氏は、トランプ氏の最初の任期中にホワイトハウス報道官を務め、2023年にアーカンソー州知事に当選しました。
新たに内閣に指名されたのは国土安全保障長官を務めるクリスティ・ノーム氏です。彼女は現サウスダコタ州知事で、トランプ氏が副大統領候補として検討していた人物の一人でもあります。ノーム氏は、すでに「国境担当責任者」に指名されているトム・ホーマン氏と共に、国境危機の対応にあたることになります。
国家安全においては、国防長官、国家安全保障顧問、国務長官が重要な役割を担っています。トランプ氏は現職の下院議員マイケル・ウォルツ氏を国家安全保障担当補佐官に指名しました。また、一部のメディアの報道では、トランプ氏が上院で長年の経験を持つ議員マルコ・ルビオ氏を国務長官に指名したと伝えられています。
台湾国防安全研究院副執行長兼所長 沈明室氏
「ルビオ氏は外交政策においてタカ派の立場であり、彼が国務長官に就任すれば、中国当局にとっては頭の痛い問題になるでしょう。さらにトランプ氏が陸軍特殊部隊出身の共和党下院議員ウォルツ氏を国家安全保障担当補佐官に任命したことも注目されています。国務長官と国家安全保障担当補佐官がともにタカ派であることが、中国に対して強硬な政策を示しているといえます」
さらに、トランプ氏は「アメリカ・ファースト大使」として、米国の国連大使に現ニューヨーク州の連邦下院議員エリス・ステファニク氏を指名しました。分析によれば、この人事には忠誠度を重視しただけでなく、4年後の人事配置も視野に入れた選択であると考えられています。
米国憲法学者兼作家 大学教授のポール・スカウセン氏
「ステファニク氏は最近、トランプ氏の政策に深く関わっており、国際問題について両者がより統一した見解を持っていることがうかがえます。ステファニク氏の任命は戦略的な動きでもあり、共和党内での地位を高め、将来の指導的役割を築く意図があるのかもしれません」