中国共産党(中共)は先日、突如として一方的に日本へのビザ免除を再開すると発表しました。この決定に対し、日本側は驚きを隠せない様子です。一部の分析では、中共がこの動きで日本など米国の同盟国を取り込もうとし、日米同盟の弱体化を図る意図があるとされていますが、この試みが成功する可能性は低いと指摘されています。
中共外交部は11月22日、日本の一般旅券保持者を対象に中国へのビザ免除を再開すると発表しました。この措置は11月30日から実施され、日本人観光客は中国に30日間滞在することが可能となります。
中共はもともと日本の一般旅券保持者に対してビザ免除を実施していましたが、2020年3月にパンデミックの影響で停止されました。パンデミック後、日本の経済界の要請を受けて、日本政府は中共に対しビザ免除の再開を何度も求めてきました。しかし、中共は「対等」を条件とし、中国国民が訪日する際にも同様のビザ免除を認めることを求めました。日本側がこの相互ビザ免除の提案を受け入れなかったため、議論は棚上げとなっていました。
日本アジア太平洋交流学学会会長の澁谷司氏は分析で、来年1月にはトランプ氏が政権を担うため、中共は日本に「秋波を送る」必要があると指摘しました。また、中共が日本などの国に対して調和的な政策を取らなければ、経済悪化を食い止めることはできないとも述べています。
日本の世論では、中共が《国家安全法》などを施行したことで、外資企業の経営環境が悪化し、多くの外資が中国から撤退していると見られています。中共は経済を維持するため、中国国内の外資企業を安定させる必要に迫られています。中国日本商会が最近発表した最新調査によれば、44%の日系企業が対中投資を縮小すると回答し、さらに60%以上の日系企業が、中国の経済状況は今年さらに悪化すると考えています。
法学者の袁紅冰氏は最近、トランプ氏による対中強硬政策に対抗するため、中共が採用している6つの対応策の1つは、米国の同盟国を分断し、日本、EU、韓国、インド、豪州、そしてASEAN諸国との経済および外交関係を強化することだと明らかにしました。
しかし、渋谷氏は、中共の努力が効果を上げるのは難しいと指摘します。日本は米国の忠実な同盟国であり、中共の措置によって日米同盟が弱体化することはないでしょう。そのため、中共は今後、「戦狼外交」を再び展開する可能性もあると述べています。