米下院、TikTokを中共から切り離す法案を承認

米労働組合、中国造船業の調査を要請

3月12日、米国の鉄鋼業・造船業界の主な5つの労働組合が、中国の海上物流・造船業界に不公正な政策や慣行が存在しないか調査するよう政府に求める請願書を提出しました。米国の通商法によれば、政府は請願書を受領してから45日以内に調査を開始するかどうかを決定する必要があります。

労働組合は請願書で、「中国は非市場的な政策に基づいて世界の造船、海運、物流を支配しています。その攻撃的かつ介入的な姿勢は群を抜いています」と述べています。

請願書はまた、米国政府に対し、中国製船舶に港湾使用料を課し、米国造船業界を活性化するための基金を創設するよう求めています。

米国のキャサリン・タイ通商代表は、「この請願書を詳細に検討することを楽しみにしています」と明かしました。

タイ氏は声明で、「我々は、PRC(中国の英語表記)が鉄鋼、アルミニウム、太陽電池、バッテリー、重要鉱物などの複数の分野で依存や脆弱性を生み出し、米国の労働者や企業に損害を与え、我々のサプライチェーンに現実的なリスクをもたらしていることを目の当たりにしてきました」

その後、バイデン大統領もXに投稿し、組合の請願書を真摯に受け止めることを約束しました。 「私が大統領である限り、米国労働者と雇用のために闘います」

米国が調査に乗り出せば、米中関係のさらなる悪化につながりかねません。ここ数年、貿易関係だけでなく、台湾海峡の緊張、スパイ疑惑、人権問題、新型コロナウイルスの起源なども、米中関係の緊張につながっています。

3月13日に物流大手のドイツポストDHLが公表した2024年DHL国際連結性報告では、米中間の地政学的な緊張と、今年行われる米国大統領選挙の影響で、米中関係は更に冷え込むと予測されています。

ただし、米中関係の変化は「以前に比べて過度に高かった統合レベルを下げる動きであって、完全な断絶ではない」と分析されています。

報告書はまた、過去数年間、世界の二大経済大国である米中間で、貿易、資本、情報、人の直接的な流れが全般的に減少していると述べています。 昨年、中国はメキシコに抜かれ、初めて米国への最大の輸入国としての地位を失いました。

米下院、TikTokを中共から切り離す法案を承認

13日、米下院は352対65と圧倒的多数で「ティックトック」の親会社バイトダンスに対し、180日以内に米国国内での事業を売却しなければ、配信などを禁止する法案を通過させました。法案はこれから上院で採決されます。

法案が施行された場合、バイトダンスは6か月以内にティックトックを分離または売却しなければなりません。そうしないとティックトックのアプリは米国でアップルとグーグルのアプリストアから削除され、同社は米国企業との取引もできなくなります。

ジョンソン下院議長は法案可決後、上院に迅速な承認を促し、最終的にバイデン大統領の署名を経て法案の法律化を目指すと表明しました。

ジョンソン下院議長は、「ティックトックのようなアプリは、中共が我が国の若者に有害なコンテンツを押し付けている。米国人の位置情報、購買習慣、連絡先、センシティブデータにアクセスするなどの悪質な活動を可能にしている」と指摘しています。「今日の超党派の投票は、米国人を監視・操る中共の試みに議会が反対していることを示すものであり、敵を抑止するという我々の決意を示すものだ」と述べました。

法案の支持者たちは、法案の目的はバイトダンスが構成する国家安全保障上のリスクを抑制することだと述べています。同社は中共の法律に基づき、米国のユーザーのデータを中共当局と共有せざるを得ないからです。

現在、米国には約1億7000万人のティックトックのアクティブユーザーがおり、その大多数は若者です。若者がティックトックに依存し、深刻な影響を受けているという懸念が広がっています。

法案の可決後、ティックトックは法案が上院で通過するのを阻止しようと、上院に目を向けています。

この法案は国際的な注目を集めています。英国のキングス・カレッジ・ロンドンの公共政策の准教授、ジョージ・サマラス博士は、この新しい法律を「大胆な政治的なステップ」だとし、他の西側諸国が追随する可能性があると述べています。また、これが他のSNSにも影響を及ぼすと見ています。

現在、米国、英国、カナダ、ニュージーランド、豪州、そしてEU委員会やNATOを含む、複数の政府や関係機関の職員は、公用端末でのティックトックの使用が禁止されています。

外交や公務での中国人入国を厳格化する英国の意向

英国のスナク首相は、中共が英国にスパイを送り込んでいる懸念から、通常のビザ手続きなしに公用で英国に入国できる中国人の数を制限することを検討しています。

ブルームバーグはこの問題に詳しい関係者の話として、英国の治安当局、内務省、外務省が、外交官やその他の公務員に適用される入国ルールの見直しについて議論していると報じました。その目的は、中国や他の国々に、より詳細な情報を提供させ、審査に多くの時間を割かせることです。

外交官や公務員のパスポートは、通常のパスポートよりも多くの特権があり、所持者はビザなしまたは審査なしに多くの国に入国できます。

可能性のある措置としては、外交官または同様のルールで入国できる人数を制限することが挙げられます。ビザを必要としない公式または国家主催の活動の範囲を制限し、事前のチェックを強化することなどが考えられます。

近年、英国は大学キャンパスから主要産業まで、中共の国内への影響力と浸透に対して、ますます警戒を強めています。 昨年、英国保安局(MI5)のケン・マッカラム長官は、英国内で中共のスパイ行為が横行しており、インターネットを通じて2万人以上の英国人と秘密裏に接触していると発表しました。これは以前に公表された数の2倍にあたります。

中共は、LinkedInなどのビジネス向けSNSを利用して、中小企業やスタートアップ、研究者と関係を築き、機密情報の入手を図っているとされています。

 
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